お店が今の場所に移転して10周年を迎え、毛塚さんにお祝いの似顔絵をプレゼントした瑠美さん=瑠美さん提供 閉店危機の「崖っぷち」から、Twitterの力でたちまち人気となったロシア料理店のオーナーが今夏、がんで亡くなった。悲報がTwitterで広まると、亡くなる前日まで仕込んでいた「最後のボルシチ」を求める客らが列をなした。強面で職人気質のオーナーが心を開き、変わっていったきっかけは、世代を超えてともに店を切り盛りした当時のアルバイトだった。 【写真】毛塚幸雄シェフが亡くなる前日まで仕込んだ「最後のボルシチ」と死後に見つかった手書きのメモ オーナーは毛塚幸雄さん。東京ドーム近くにあるロシア料理店「海燕」を経営し、自らシェフとして腕を振るっていた。 毛塚さんは関東出身。20代のころ本場ロシアで修行を積み、都内のレストランをへて約20年前、知人の店を引き継ぐ形で独立した。 常連客やスタッフからは