僕は18才になる妹と二人暮らしをしている。僕が高校生三年のときにやってきた妹と僕の間に血の繋がりはない。妹は7月に身体を壊して僕の部屋で療養している。そんな妹がひと月ほど前からお弁当をつくり始めた。今朝も早起きしてキッチンを賑やかにしている。朝六時半。眠りから覚まされた僕はシルクのパジャマを脱いでタンクトップを着てキッチンへ顔を出し声をかける。「あまり無理するなよ。また身体を壊すぞ」 「あ、お兄ちゃんオハヨー。大丈夫!大丈夫!もしかして…起こしちゃった?」上目遣いで僕に許しを乞う。「ちょうどいい目覚ましになったよ…」と僕。妹の笑顔が弾ける。「てへへゴメーン。それよりお兄ちゃん見て見て!これー!」「やれやれ参ったな。気が済むまでやればいいさ」そういって傍らに立ち、すっと覗きこむ。妹は白いエプロン姿で両手を後ろで組みもじもじしている。 妹の左手の指の先にあるフライパンのなかではウインナーが三つ
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