朝刊を読んだら、菅直人新首相について「期待する」という社説が掲げてあった。 その理由として市民運動出身であり、ポリティカル・ファミリーの出身でなく、自民党員だったことがないことが挙げてあった。 そして、新首相に課せられた最優先の政治課題は「小沢一郎の影響力を払拭すること」だと書かれていた。 私はこの説明を読んで、考え込んでしまった。 こういうことを「統治者としてのアドバンテージ」としてよろしいのであろうか。 「市民運動をしたことがなくて、ポリティカル・ファミリーの出身で、自民党員だったことがある」前首相との対比で、そのアドバンテージを強調したかった論説委員の気持ちは理解できるが、私はこの記事を読んで深い徒労感を覚えた。 もう何度も書いていることだが、私たちの国が陥っている窮状は構造的なものであり、つよい惰性をもっている。 日本の不調を統治者個人の属人的な能力で説明することには限界があるし、