民家の除染作業は急ピッチで進められているが、限界も感じさせる 空間放射線量毎時0.23マイクロシーベルト以下。 川内村が復旧計画で示した除染の目標値だ。村内の建設会社などでつくる「村復興事業組合」に委託し、昨秋から作業を始めた。例年にない雪で遅れたが、学校、役場、診療所、教員宿舎に加え、子どもがいる23世帯の除染を終えた。 民家の庭に重機を入れ表土を取り除く。屋根などは高圧洗浄機で洗い流す。高線量なら洗剤も加える。庭の木は枝打ちし、背後の山の表土も剥ぎ取る。敷地が400平方メートルを超える家も多く、一戸当たり延べ20人が従事して平均5~7日かかるという。 「砂利を洗っても数値が落ちない」「草を削っても下がらない」。丁寧に作業を重ねても線量が目標値を下回らないケースもある。現場に立ち会う村の担当者は壁にぶち当たるような気持ちになる。確立したマニュアルがないのが悩みだ。村復興対策課除染係の三瓶