東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から11日で3年10カ月となる。原発事故を受けた子どもの甲状腺検査は一巡目の先行検査を終え、二巡目の本格検査に移行した。甲状腺検査は子どもの健康を守る目的で始まったが、県「県民健康調査」検討委員会では、検査の在り方をめぐり、甲状腺がんと被ばくの因果関係の検証にまで踏み込むべきだとの声が上がる。長期にわたる調査の進め方はどうあるべきか−。見直しを含めた議論がどこまで深まるのか注目される。一巡目の先行検査では甲状腺に「問題ない」とされた4人が、二巡目で「甲状腺がんあるいはがんの疑い」と診断された。検討委は「放射線の影響は考えにくい」と従来の見解を維持している。 二巡目の本格検査に入り、検討委には甲状腺検査の在り方にさまざまな意見が出ている。県や福島医大は県民の健康を見守ることを検査の主眼に置いてきた。だが、検討委では原発事故による被ばくの影響の解明を求める