礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。 ◎「日本われぼめ症候群」について 今月一四日の日本経済新聞「大機小機」欄に載った「日本われぼめ症候群」という記事を読み、久しぶりに同紙の知性を感じることができた。 最初の方を引用してみよう。 雪の日、中宮の定子が「香炉峰(こうろほう)の雪は?」と問うた。即座に白居易の詩をなぞり御簾(みす)をあげさせたら、中宮は破顔、同僚の女房らは感嘆しきり。枕草子には作者である清少納言の「われぼめ」エピソードが多い。 「日本のわれぼめ」と呼べそうなテレビ番組が増えた。いずれも外国人の手を借りるのがミソで「世界が驚いたニッポン! スゴ~イデスネ!!視察団」「YOUは何しに日本へ?」などなど。 番組のホームページの能書きに「外国人の視点だからこそ、さらに浮き彫りになる日本のスゴさ」(視察団