原子力規制委員会の委員長が9月22日、初代の田中俊一氏(72)から更田豊志氏(60)にバトンタッチされた。2人は日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)で先輩・後輩の関係で、規制委では委員長と委員長代理のコンビとして運営をリードしてきた。ただ、着任後の更田氏の発言からは田中氏との「違い」も随所に見られる。福島への思い、記者への対応…その違いをクローズアップしてみよう。(社会部編集委員 鵜野光博) 福島への思いは… 22日の着任会見冒頭、更田氏は「規制委は福島第1原発事故の反省と教訓に基づき設置された組織。委員長が交代しても福島への強い思いを持ち続けることが重要だ」と述べた。 前任の田中氏は福島市出身で、委員長を引き受けた動機を「福島の事故の風化の歯止めに少しでもなれば」だったと明かしている。退任後は「復興に少しでも役に立てれば」と福島に戻った田中氏。福島への強い思いは明らかだが、では更