震災発生から2か月半が経過した今も、福島第一原発の事故は終息の気配を見せず、予断を許さない状況が続いている。原発周辺や福島県の人たちにとっては、まだまだ苦しい日々が続きそうだ。 だが、その一方で、付近住民ではない人々の間で、放射線被曝に関する議論が活発化している。 とりわけ、危険性を主張する人の声は大きく、口づての噂やチェーンメールやツイッターで“放射線以上の拡散”を見せている。 そうした言説には、過激で扇情的な主張も多い。 「政府や東京電力の発表がいまひとつ信用できないなか、トンデモ理論が出てくるのも仕方がない面がある。今は誰も経験したことのない状況で、多くの人がとてつもない不安感を抱いている。そういうときは、いくら“科学的に見て大丈夫”と言われても納得できず、不安を裏付けてくれるような説明を信じがちなんです」(疑似科学に詳しい大阪大学教授、菊池誠氏) では、実際にどのような主張が流布し