山に登って、ギョーザとビールで疲れを癒やす。出迎えてくれるのは山を愛する女将(おかみ)。登山者たちをとりこにしてきた高取山の「月見茶屋」(神戸市長田区)が10月30日で閉店し、100年の歴史に幕を下ろした。(劉 楓音) 「店が閉まるらしい」-。うわさを聞きつけ、27日、高取山に向かった。石段に息は上がり、汗はだらだら垂れてくる。三つの茶屋を越え、山頂に最も近いところに月見茶屋はあった。 年季の入った扉をがらがらと開く。入り口近くにピンクのTシャツを着た女性が座っていた。「今日はギョーザだけや。良かったら席に座っとき」。店を切り盛りする川本眞智子さん(79)だ。立ち上がり、厨房(ちゅうぼう)の鉄鍋で焼いてくれた。出てきたギョーザは大ぶりで、キャベツなどの野菜がたっぷり入っていた。 仕込みは夫の秋穂さん。かつて夫婦で板宿の中華料理店を営んでいた。何が入っているのか、眞智子さんも知らない秘伝のタ
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