マイナンバー制度の運用開始直前に発覚した関連業務での汚職事件。「厚労省の赤シャツ」とも呼ばれたという異色の公務員は、少しやつれた様子で法廷に現れた。 東京地裁、725号法廷。厚生労働省情報政策担当参事官室元室長補佐の中安一幸被告(46)の初公判は、年の瀬も迫った昨年12月24日にあった。 カラーシャツや派手なスーツに、整髪料で固めたオールバックの髪……。マイナンバー通知の時期と重なったことに加え、逮捕時に報じられた公務員らしからぬ風貌(ふうぼう)は世間の注目を集めた。しかし、この日の被告はダークスーツにネクタイをしめ、白髪交じりの髪を無造作におろしていた。2日前、被告は厚労省を懲戒免職となっていた。 被告「マイナンバー制度の開始時期と重なり、政策に携わった関係者、政府全体の信頼を失墜させた影響は大きいと悔いています。結果を重く受けとめています」 事件に至る経緯はこうだ。 被告は高校卒業後、
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