しかし、近年の研究者たちはこれらの数字を鵜呑みにせず、根拠の曖昧な推測を排して、より「正確な」人口を出そうとしています。 その結果として、フランスの人口は1000年~1328年にかけて約600万人から2100万人に増加したとか、イタリアの人口は1000年~1439年にかけて500万人から930万人に推移した、などの研究[Dupaquier,1988][Bardet/Dupaquier,1997]がなされていますが、これらの数字ですら最終的に決着したものではないのです。 (イングランドのドゥームズデイ・ブックには、1086年~1346年の間に人口が170万人から370万人になったと記されています。) けっきょく確実に言うことができるのは、10世紀から14世紀半ばにかけて西~中部ヨーロッパ(フランス・ドイツ・イギリスなど)では弛みなく人口増加が起こり、その増加率は3~4世紀間で約3倍にもなった