平成17年3月に市町村合併により大仙市として再出発を果たした、秋田県仙北郡の7市町村。 その一角、奥羽山脈の西麓に位置する旧太田町と旧中仙町は、いずれも同じ悩みを長年共有してきた。 生活用水問題だ。 この2町はともに、奥羽山脈が形成する巨大な扇状地に町域のほぼ全てが含まれており、山脈から吐き出される豊富な水は大部分が扇状地特有の伏流によって、河川流量が不足する状況にあった。 農業用水こそ、世紀の大事業として昭和初期から40年代までに完工した田沢疎水(第一、第二)によって確保されたものの、住民たちの生活用水は今なお、自家用の井戸による取水が大部分を占め、しかもその安全性に近年は疑問符が出されている。 この問題の根が深いのは、つい近年まで両町の境に流れる斉内川の上流、真木渓谷に県営ダムを建設し取水する計画があり、実際に両町はそれをあてにした上水道計画を行ってきた点にある。 しかし、県ではここ数
五百刈沢隧道は、秋田市の北部、外旭川と上新城を分ける稜線上に幾つもある隧道のひとつだ。 この稜線は、太平山地の末端に位置し、太平山前衛の山々を取り囲むように存在するが、その標高は100mにも満たない。 そして、上飯島地区の飯岡山を最後のピークとして、あとは、かつては海の底であった広大な水田地帯に落ちている。 五百刈沢隧道は、私にとって、山チャリで出会った初めての隧道(トンネルではなく、隧道)であり、その消長というほどではないが、十年来の姿を追ってきているので、とくに思い入れがある。 まあ、当サイトで紹介している他の隧道に比べれば、迫力には乏しく、ただの狭くて小さな隧道と見えると思うが、どうかお付き合い願いたい。 今回は、新たな発見があったので、これを中心に、五百刈沢隧道の再訪レポートをお送りする。 2003年12月11日、午前8時すぎ、自宅から5kmほどの地点にある五百刈沢隧道を目指し、主
秋田県の南部内陸は広大な丘陵地帯に覆われている。 ここを出羽丘陵と呼ぶが、中でも仙北郡に属する一帯は、標高500mを越えるような高所の少ない丘陵の中でも特に低山が多い。 凸凹のような山々と無数の沢が不規則に広がり、人里に近かったことから驚くほど奥まで耕地化されている。 そこには、縦横無尽に小規模な道が張り巡らされていて、部外者にはまるで迷路のよう。 それでも、近年は縦貫するように広域農道が完成しており、バイパスとしてここを利用す地域外の車は多い。 もはや、その広域農道を除いては、多くの道が存在意義を失いつつあり、廃道化した道も少なくない。 そのうちの一つ、西仙北町大沢郷宿から南外村楢岡に抜ける峠道を紹介しよう。 広域農道は出羽グリーンロードという愛称で呼ばれている。 丘陵中では幾度と無く他の道と交錯するが、信号が設置されている場所は無く、この峠道に至る分岐も車なら一瞬で通り過ぎてしまう。
仙岩峠については、これまで山行がでも何度も語ってきた。 この峠は、秋田県と岩手県の県庁所在地を最短で結ぶ奥羽山脈越えの峠であり、今でこそ秋田自動車道とその役目を二分しているといえ、開通以来北東北の物流・観光・生活を支える、文字通りの幹線道路である。 この道は一般国道46号に指定されており、国の直轄路線であるころからも、その重要性が窺い知れるであろう。 この仙岩峠について我々旧廃道傾倒者、いわゆるオブローダーが語るとき、必ず話題に出る、いやむしろ仙岩峠と言ってもまず現道を指さないと言うほどに有名なのが、昭和38年10月に開通し、この峠に初めて自動車交通の時代を切り開いた旧国道である。海抜800mの仙岩峠を越える、九十九折りと断崖絶壁を繋いだ全線2車線の完全舗装道路だったが、一年のうち半分は雪に閉ざされ、沿道の景色の美しさから観光道路としても愛称を与えられるほどであったものの、結局は幹線国道と
レポのタイトルからして、どんな道が現れるのか、おおかたの読者には予想が付いてしまったかも知れない。 だが、このレポを最後まで読み終わった頃には、あなたの中でタイトルの中の「狭」の字は、それとよく似た形の、別の“字”に変わっていることだろう。 国道101号線は、なんとなく目を引く路線番号だ。 だが、秋田県や青森県の限られた地域に住む人以外には、あまり馴染みがないというか、なんとなく道路地図を見ていても、なかなか見つからない路線である。 決して路線長が短いわけではなく、全長は272kmもあり、これは3桁国道の平均的な長さを上回る。 また、起点と終点を知れば、何故マイナーなど言われるのか、首をかしげる方も多かろう。 起点は、青森市。 終点は、秋田市である。 北東北の2県の県庁所在地を結んでいる。 この路線が、マイナーだと言われるのは、このうち60kmあまりが国道7号線と重複していることも大きい。
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