現在、性自認主義者たちに蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われているのが「ターフ(TERF)」と呼ばれる人々だ。「ターフ」など耳にしたこともないという人が恐らく大多数を占めるはずだ。だが、世界の趨勢(すうせい)を眺め、LGBT理解増進法が日本で成立したことを考慮すれば、近未来において日本でも過激なターフ批判が展開されていくはずだ。 ターフとは、「トランス排除的急進的フェミニスト(trans―exclusionary radical feminist)」の略語であり、生物学的男性が生物学的女性とは異なるとの主張を展開する人々を意味する。「ターフ」の人々の主張が、トランスジェンダーの人々の存在を否定するまがまがしき主張であるとされ、差別的偏見に満ちていると糾弾されている。 最も代表的な糾弾の事例を挙げれば、世界的なベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズの著者であるJ・K・ローリング氏の事例であろう。