「カネをもろたとねと(聞いているのか)? そうでなく預かっただけ。机の中になおしていたから1円も手を触れていない」そう話した男性の右手は小刻みに震えていた。(*なおす=“しまう”の意) 「どうかなと不安はあったが、使わずに置いておけば、万が一何かあっても問題がないと思っていた。だが、そうとはいかないようだ」と議会関係者の男性は観念したように天を仰いだ。 ◆ ◆ ◆ 2022年2月に行われた長崎県知事選で初当選した大石賢吾知事の「政治とカネ」を巡る疑惑は既報の通り。すでに、元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士と神戸学院大学の上脇博之教授が、選挙コンサルタントに支払った費用の問題を刑事告発しているが、長崎県議のA氏は「それはせいぜい事件の入口だろう。最大の焦点は、選挙買収だ。その証拠にハンターが選挙買収の記事を配信した直後、県議会は騒然としていた」と話す。 買収があった可能性は高く、冒頭で