内閣改造で安倍内閣の支持率が参院選前の水準に戻った。これまで、支持率30%を切って20%台に落ちた政権が再び国民の人気を回復するのは不可能と言われていた。今回のような事例を見るのは初めてだが、あれほどの不面目な惨敗を喫しながら安倍首相が辞任しないという事実も、それがそのまままかり通るという事実も、どれも信じられない異様な政治的光景であり、唖然として、批評する言葉も組み立てられないまま時間が経ってゆく。内閣改造の日の夜、日本テレビは特番を組み、スタジオに自民党支持の文化人と政治家を集め、安倍内閣の心機一転と再出発を演出して持ち上げ報道した。スタジオには野党議員の姿はなく、身内だけで完全に固めていて、まるで一年前の安倍政権誕生時の異常報道に戻ったかのような風景だった。国民が選挙で民意を示した実感を持つことができないのは、テレビが民意を正しくありのままに報道しないからである。テレビ報道だけを見て