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  • 地域医療はどう変わるのか - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 福島県の産科の先生が刑事告発された。 状況は2年前と同じだ。 理不尽な理由で刑事告発がなされ、みんなが あちこちで憤りを表明し、支援の輪が広がり、意見を発信できる医師は 誰もが悲惨な未来を予想して、そのあと何もなかったかのように日常の仕事へ戻って行った。 あれから2年。件の先生が「クロ」なのか「シロ」なのか、その結論すら司法はまだ出していない。 結局何も変わらなかった。 相変わらず救急は寒い状況。むしろ前よりひどい。子供は相変わらず一人で転ぶ。 綿菓子には割り箸こそ用いられなくなったけれど、子供が持つような尖ったものは、 相変わらずレントゲンには写らない。造影剤でも混ぜてくれれば、少しは違うのに。 事件はおきた。子供が死んだ。医師が一人、実質

  • 状況の変化と生存の知恵 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 大学の救急外来はヒマだった 久しぶりの正月救急当直。今年は忙しかった。 忙しかったことが、逆に意外だった。 大学病院で、救急外来を熱心にやっているところは少ない。 大きすぎる組織。専門分化した医局。莫大な予算規模や、「大学」という看板。こうしたものは、 救急外来という隙間産業の正立を難しくしている。 大学が救急に熱心で無い一方で、大きな市中病院では、今はどこでも救急をやっている。 自分達が研修医の頃、救急を24時間やっているのは一部の民間病院のみ。 救急隊の無線を聞いていて(合法)、「○○市民病院、搬送拒否」の司令の声が聞こえると、 必ず自分達の病院へと搬送依頼がくる。よくみんなで怒ってた。 いつのまにか情勢は変わった。議会に文句が来たからな

    yamifuu
    yamifuu 2006/01/06
  • 真名と忌み名と - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 白衣の裏には名前を隠す 人に頼られるというのは、基的にはとても怖いことだと思う。 内科の外来。毎日初対面も同然の人たちがやって来ては、自分達の問題を赤の他人に語る。 もちろんこちらを信用してくれてのことなのだけれど、その話を受ける自分が十分な対価を 支払っているのかどうか、全く自信が無い。 「患者」と「医師」との対峙なら、やりかたは習っている。ところが、目の前にいるのは 「患者」なんかで無く、「○○さん」という人間だ。一般化なんかしたら怒られる。 かといって、 自分が「○○さん」レベルに個人化したら、対峙するのは単なる個人と個人。 自分の「個人」によっぽど自信が無いと、これは恐ろしい。 医師は白衣を着ることで身を守る。個人から医師になり、

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    yamifuu 2006/01/03
  • 削る研修と育てる研修 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 民間病院の臨床研修 1年生の頃はひどかった。 入職してから、オリエンテーションに10日間。そのあとは、右も左も全く分からない病棟でいきなり30人持ち。 できるわけが無い。患者さんの把握をしようにも、名前一つ満足に覚えられない。新患など入った日には、残りの患者は放りっぱなしだ。何か頼まれたって新人には覚えられるわけがないし、 メモのとりかたや病棟での行動のしかた、トイレにいくタイミングや事の時間、大事なものは 誰一人として教えてくれない。 新人は怒られる。理不尽な話だ。いくら怒られたって仕事はできないし、頼まれたオーダーはこなせない。 「もう駄目、辞める」と誰もが思う。実際辞める奴もいた。 それでも、もう駄目だ…と思った頃、その日は誰もが会っ

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    yamifuu 2005/11/24
  • レジデント初期研修用資料:転職先で教えてくれない3つのこと

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 勤務先で「いい人」になるために 勤務する科を変更して1ヶ月。 もともとの循環器内科から、いまは集中治療室。 1年生の頃から、外科をやったり、救急をやったり。いくつもの科を転々としてきたけれど、もう慣れた。 新しい職場に移るとき、迎えてくれる側は必ず簡単な職場の紹介をしてくれる。 勤務時間は何時から何時までなのか。 仕事の内容はどうなっているのか。 病棟の患者の病名や、治療していくのに必要な知識。 他のスタッフの年次や専門。 どの病院にいっても、こうした情報は必ず教えてくれる。ここまでは公平。 それでも新人は区別される。出来のいい奴と悪い奴。使える新人と、ダメな新人。 新人に張られるレッテルというものは、新しい職場に入って最初の1ヶ月で大体決ま

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    yamifuu 2005/11/02
  • 冷えて縮んだ世界から医者はいなくなる - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 業界は冷える。冷えてどんどん縮む。世界全体が小さくなるから、今までのベクトルで苦労をしても、 その努力が今までどおりに報われる可能性は減る。努力という行為にすら「リスク」が課せられるなら、そのリスクの分は、もっと別の方向に生かしたい。 最近ずっとこんなことを考えている。 栄光と夢が膨らんだ60年前 終戦後から復興期にかけて、医療の業界は大きく成長した。佐久総合病院、沖縄中部病院の設立。 米軍に接収されていた聖路加病院の返還。現在まで続いている大きな市中病院は、だいたいこの頃 に誕生した。 この時代に病院長や部長クラスをやっていた医師は、現在でも怪物とか、妖怪とか言われて現役で頑張っている。日野原重明先生なんて、 昨年のCCT(カテ屋のお祭り)

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    yamifuu 2005/08/22
  • レジデント初期研修用資料: 知識の渋滞を抜け出すために

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 知識習得の高速道路化という現象 インターネットの普及や、安価に使える論文データベースの普及に伴い、他の人の知識の成果物の参照が、極めて容易になった。 他の人の技術を自分の参考にするのが容易な業界、とくにプログラマーの業界では、このインターネットの普及により、学習の高速道路化という現象がおきている。 インターネットを経由すれば、他人のコードを簡単に読むことができます。参考にすべきコードはいくらでもあり、その開発者が海の向こうにいようと世界の裏側にいようとわずか数秒でアクセスすることができます。 最高レベルのコードを参考にコードを書けば、自然と最高レベルに近づくのは当然のこと。情報へのアクセスに実質的な限界がないネットの世界では、よりクオリティ

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    yamifuu 2005/07/29
  • 痛くないやりかたが正しいとは限らない - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 道具には痛いものとそうでないものとがある 外科医の使うピンセットや鉗子には、「鈎」のついたものとそうでないものとがある。 左写真、左側が鈎付きの鉗子の先端。右が通常の鉗子。右の写真は、鈎の拡大。 一見すると、鈎無しの鉗子のほうが、組織にやさしそうに見える。実際は逆だ。 鈎のついた鉗子は、皮膚のごく一部にはい込むが、健常な組織を挫滅しない。このため、傷の治癒は早くなり、傷口もきれいに直る。研修医の頃、外来での傷の縫合などで、何も考えずに鈎無しの鉗子を使っていると、物の外科の先生からよく怒られたものだ。 生体組織は細胞のネットワーク 組織(社会の組織organizationではなく、医学用語の組織tissueのほう)は、細胞のネットワークだ。

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    yamifuu 2005/07/18