酒蔵の中に小さな植物工場--。日本酒大手の白鶴酒造(神戸市)と室内農業装置などを手がけるスパイスキューブ(大阪市)は2日から、酒造りで発生する二酸化炭素(CO2)を使ってハーブなどの植物を育てる実証プロジェクトを始めた。収穫後は同酒造のジンなどの原料に使う。CO2の有効活用で、持続可能な“循環型酒造り”を目指す。 実証は6月末までで、白鶴酒造資料館内に昨年9月オープンしたマイクロブルワリー「ハクツルサケクラフト」で行う。醸造室の横に、40株を栽培できる農業装置を置き、シソやバジル、ミントなど酒造りに活用できる品目で試験栽培する。 日本酒の生産では、米こうじが糖化したり酵母がアルコール発酵したりする工程でCO2が発生する。同酒造が持つ3工場で発生する量は年間2000~3000トン。実証では醸造室からCO2を回収し、800ppm~1500ppm程度に濃縮して農業装置に送る。「実証期間内に40~
