哲学, 社会学ポストヒューマンの人間論―後期ルーマン論集作者: ニクラスルーマン, Niklas Luhmann, 村上淳一出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2007/09メディア: 単行本『ポストヒューマンの人間論』所収。読み逃していたが、社会システム理論の語彙による哲学史の再記述はなかなか面白い。フッサールの『危機』を中心に、社会システム理論から他の哲学への具体的言及があるのが読みどころ。自照性reflexivitatの広まりと「大きな物語がなくなったという大きな物語」は、哲学のファーストオーダーの観察者としての哲学の特権性を撤廃させ、18世紀後半に誕生する「文化」という意味論の対象となる。そのとき、フッサールの講演に見られるような西洋的近代性の徹底による西洋の危機の乗り越えという提言は古すぎてかなわんよ、と。「フッサールのウィーン講演が歴史上の出来事にすぎず、かれの時代に照