哲学は美的なオブジェクトである。 哲学における議論とは、その構造が美的性質を持つ。哲学における概念もまた、特有の美的性質を持つ。 先行する説をうまく要約し、その問題点を批判したり、よりよい案を提示したりするその動きが魅力的であったりする。あるいは、新しい概念によって、これまで経験していたはずなのに気づいていなかったものごとが新しい相貌で現れるとき、私たちは美的によい経験をする。あるいは、難しく、込み入った議論を一歩一歩追っているとき、私たちはその困難なプロセスそれ自体に楽しさを感じることもできる。 それは小説における物語の構造や、小説を読んだときに感じる情動の美的価値とはかなり、あるいは少し違ったタイプの美的性質に思われる。それは、どこかパズルに似ている。しかし、完全にパズルそっくりでもない。 以上の指摘がある程度共感をもって理解されうるとしたら、「哲学の美学(Aesthetics of