菅官房長官は3日の記者会見で、いわゆる従軍慰安婦問題に関する1993年の河野洋平官房長官談話の作成過程を検証することが、談話の見直しには直結しないという認識を示した。 菅氏は、「政府の基本的立場は河野談話を継承することだ」と明言。そのうえで、「慰安婦の聞き取り調査について、日韓間でどのようなすり合わせが行われたのかを含めて、そこはさすがに検証する必要がある」と語った。 これに関連し、安倍首相は3日の参院予算委員会で、「安倍内閣としては、侵略や植民地支配を否定したことは一度もない。『アジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えてきた』との認識は、安倍内閣としても同じで、これまでの歴代内閣の立場を引き継いでいる」と述べ、過去の植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山首相談話を踏襲する考えを改めて強調した。中国、韓国などによる一方的な批判を否定する狙いがあるとみられる。