かつては田中角栄を「金権政治」と批判していた石原慎太郎が、田中角栄の本を書いて、「角栄がいかに素晴らしい政治家だったか」を吹聴して歩いている。 そのこと自体にそれほど関心はなかったのだが、先日たまたま慎太郎が 「角栄は素晴らしい政治家だったのに、アメリカに逆らったから、ロッキード事件で人格まで否定された」といった趣旨のことを新聞紙上でのたまっていた。 アメリカに逆らったからかどうかは置くとしても、田中角栄はロッキード事件で政治生命を絶たれた、というような、雑な理解をしている人は多い。 酷いのになると、ロッキード事件のせいで首相を辞めたのだと思っている奴までいる始末だ。 ちょっと当時のことを調べれば、事はそんな単純な話ではないこと位、すぐわかるのに。 まず、「ロッキード事件のせいで首相を辞めた」は完全な間違い。 事件が発覚したのは、角栄辞任後である。 今太閤と呼ばれたの田中角栄が総理に就任し