米国が禁酒法を制定して酒を追放したのは20世紀初め。アル・カポネらギャングをもうけさせただけで失敗に終わった。たばこ追放運動は現在も進行中だが、こちらはかなり成功している。ひとついえることは、米国ではしばしば熱狂的な食べ物や飲み物、嗜(し)好(こう)品(ひん)への反対・追放運動が巻き起こる、ということだ。 昨年10月、ニューヨークのブルームバーグ市長は「フードスタンプでのソーダ購入を試験的に禁止する」条例案を提案した。さてこの動き、時代を画する「ソーダ追放運動」に発展するかどうか。 フードスタンプとは、米連邦政府が福祉政策の一環として低所得者層に発行する食料引換券のこと。ソーダとは、日本の定義とはややちがって、コーラなど砂糖がたくさん入った清涼飲料水全般を指す。 フードスタンプによって無料で手に入れたソーダを大量に飲むくせがついてしまうと、肥満などの悪影響が出やすくなる、というのが市長側の