宇宙でPKOの場で故郷の味 レトルト食品はもともと軍用携行食として誕生した。その恩恵をこうむるのは、やはり自衛隊など野外活動の盛んな組織だろう。 陸上自衛隊は平成2年から、レトルト形式の「戦闘糧食II型」を制式採用した。それまでの缶詰も「I型」として残し、併用する形での導入だ。 陸上幕僚監部の戦闘糧食担当者によると、「従来の缶詰と比べての長所は、携帯性と食べ心地です」という。食事ぐらいしか楽しみのない野外活動では、食べ物の質は士気にかかわる重要な要素だからだ。缶詰入りのご飯(通称・カンメシ)は保存性に優れた主食だが、味に関してはあまりよい評判がなかった。演習で両方を食べたことがある男性自衛官(37)は「ご飯は明らかに缶詰よりレトルトの方がいいですね。最近改良された型は市販のパック入りご飯とほぼ同じで、おいしく食べられる」と、感想を述べる。 戦闘糧食II型は、1食分のご飯とおかずのセットを1