蝉の声が日ごとに大きくなり、液体のような暑さが体にまとわりつく―いよいよ本格的な夏の到来です。この時期になると目にする「土用の丑の日」。この文字を見ると多くの日本人は「そろそろうなぎが食べたいなぁ」なんて自然と思うものです。 でも「なぜこの日の食べ物はうなぎなの?」と聞かれると、(何となくは知っているけれど)詳しくはわからないという方も少なくないはず。あらためて調べてみると、「土用と丑の日」の由来やうなぎの歴史には、ちょっと意外な事実が見つかりました。「土用の丑の日」の近づくこの時期、「うなぎ」にまつわる知識を掘り下げてみませんか? 「土用」と「丑」の意味って? まずは「土用の丑の日」の由来について。「土」は、「五行説」からきた言葉。五行説は、宇宙のすべては『木』『火』『土』『金』『水』の5種類からできているとする、古代中国の自然哲学です。 この「五行」を四季に当てはめ、樹木が成長する春を