3月末に「ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #5」として放送されたイベント。前後半合わせて3時間を超える対談を、後日タイムシフトで視聴しました。 genron-cafe.jp とくに後半の議論が面白かったのですが、前半部の千葉さんによるプレゼンは思弁的実在論の状況について分かりやすく整理されており、非常に勉強になりました。今回もメモを取りながら観ていたら大量になってしまったので、前半部のメモをこちらにまとめておきます。 togetter.com 前半部の要点 ガブリエル『なぜ世界は存在しているか』について 結論:マルクス・ガブリエルの話題の書『なぜ世界は存在しているか』は全く面白くない。 多様性を肯定する、かつてのポストモダンに近いが、その実在論化に踏み込んでいる。 一角獣やアニメのキャラのような虚構的存在を含め、すべてのものに、自然科学的なものと同じ「存在する
日時:2017年7月2日(日)16:30-18:30 会場:前橋市中央公民館5階503学習室 ・「ポスト」から「クトゥルフの世」へ──ハラウェイにおける人間概念批判と連帯 猪口智広(東京大学) ・ダークインフォメーション──超人世あるいはポストニヒリズムの倫理感性的方便 原島大輔(東京大学) ・計算的理性と直観の盲点──1930年代のエピステモロジー的形象をめぐって セバスチャン・ブロイ(東京大学) 【コメンテーター】北野圭介(立命館大学) 【司会】飯田麻結(ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ) 本パネルは、近年学際的テーマとして高い注目を集める「人新世」という概念を、人文学の領域から評価、再考することを目的とした。司会・パネル企画者の飯田麻結氏によるイントロダクションをベースに、猪口智広氏、セバスチャン・ブロイ氏、原島大輔氏ら三名が自身の専門分野に拠って立ち、それぞれの観点から人新世を
新しい哲学の流れが、ここ数年の間でいよいよ活性化してきている★1。そして、建築の世界では、そうしたポスト・ポスト構造主義とも呼ばれる哲学と共振しているかのような制作のモードが、すでに一部の建築家たちのもとで実行されてきているようにも見える。ならば、それらの哲学と建築の新たなる出会いが、今後生産的に交わされてゆくことになるだろうか? しかし、少なくとも現状はまだ、建築の議論では、依然構造主義・ポスト構造主義系の思考が幅を利かせている。むしろ、それらは英語圏を中心にますます一般化の度合いを増している感さえあり、とりわけ表象文化論的・メディア論的な建築論、あるいは建築とほかの芸術領域(特に視覚アート)との境界や複合関係を分析するメディウム論などで援用されては、以前にもまして数多くの論考をグローバルに生み出している。だとすれば、仮にいまを新しい哲学と建築(およびその新たな関係)への転換期と見なすと
近年、スラヴォイ・ジジェクやアラン・バディウ、カトリーヌ・マラブーらの影響下で、英語圏において生じた大陸哲学への新しい関心は、何人かの哲学者や思想家を巻き込む形で思弁的実在論(speculative realism: SR)と称されるある哲学的立場、ないしフッサールが自身の創した現象学をそのように呼ぶことを推奨したやり方に従うならば、哲学的「運動」を生み出した。2007年にイギリスのロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ*1で開催された、クァンタン・メイヤスー、グレアム・ハーマン、レイ・ブラシエ(Ray Brassier)、イアン・ハミルトン・グラント(Iain Hamilton Grant)の四人をメンバーとする同名のシンポジウム*2が、一般的にはこの運動の直接的起源とみなされている。そこに読み取られるこの運動の基本的方向性は、カント主義(Kantianism)の乗り越え、相関主義(cor
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