「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」を実現させるための大きな柱の一つとして発足したロースクールは、現在、多くの困難をかかえています。ロースクール発足当初は、6万人近い法曹希望者が入学を希望し、その中には、従来の法曹が持たなかった知識や経験の持ち主が多数含まれていました。これらの人たちが法曹として巣立っていれば、日本の法曹界が大きく変化し、司法改革が目指した「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」の実現に向かう歩みが始まったはずです。ところが、閣議決定までされた司法試験合格者の数は、法曹三者の都合で大幅に抑えられ、その結果、ロースクールを卒業したにもかかわらず、法曹資格を得られない者が多数生じるという状況が生じました。ロースクールがかかえる困難の多くは、ここに由来します。 そして、ロースクールを卒業して法曹になった弁護士を含めて、少なからぬ弁護士が、弁護士の増加が弁護士業