東日本大震災で被害を受けた岩手県沿岸部で、移動図書館が巡回している。陸前高田、大船渡、大槌、山田の各市町にある仮設住宅を訪ねており、子どもらが楽しみにしている。 約30年前からタイやカンボジアなどで図書館建設などをしてきたNGO「シャンティ国際ボランティア会」が、大手出版社などから震災後に寄付を受けた約1万5000冊を活用。絵本や文庫本など約800冊を軽トラックに積み、7月中旬から2週間ごとに同じ仮設住宅を訪れ、その間に本を貸し出す。大船渡市の仮設住宅に住む小学6年生の西村絢雅さん(11)は手塚治虫の「ブッダ」を借りた。「こんなに本があってうれしい。毎回楽しみにしています」と笑顔で話した。【写真・文 後藤由耶】