2012年10月18日01:41 カテゴリ本 「下克上」の伝統 日本の組織の最大の弊害は年功序列だが、その起源は意外に新しく、戦前は官庁でさえ年功序列ではなかった。「日本はタテ社会だ」という人がいるが、中根千枝氏もいうように日本の社会はタテの階級関係が弱く、平等主義的なのが特徴だ。日本社会がタコツボ的な中間集団にタテ割りになっていてヨコの連携が弱いというのが「タテ社会」の意味である。 これを本書は、下が上を支配する「逆方向のタテ社会」だという。江戸時代の大名でも、主君と家臣の上下関係は弱く、主君だけで意思決定はできなかった。家臣のコンセンサスを踏み超える乱心の殿様や急進的な改革をする殿様は、押込によって隠居させられることが珍しくなかった。幕府も主君につねに味方したわけではなく、このように主君の権威が弱いことが「お家騒動」の頻発する原因だった。 日本社会は年齢で上下関係をつくらないといけない