「定点観測をしていれば景気が読める」「10分あれば報道の真相がわかる」震災の復興シナリオから企業の大型合併、不況下で高い利益率を誇る業界の仕組みまで、世の中の事象を正しく見るコツを数字のプロが解説する。 10年9月期の中間連結決算で最終損益が1580億円の黒字になった日立製作所。2月に発表した10年4~12月期の連結決算では最終損益が2201億円の黒字で、これは91年3月期(2301億円)以来の高水準ということです。 09年3月期の決算で7873億円の最終赤字ですから、2年で1兆円近くという見事なV字回復を果たしたことになります。 この10年の損益計算書を振り返ってみると、10年前の01年3月期の売上高が約8兆4000億円。07年に10兆円、08年に11兆円を突破したものの、リーマンショックが直撃した09年以降は売り上げを下げていました。 そうした状況下で、日立が活路を見出したのは海外です