新型コロナの感染拡大の影響をうけて大きく落ち込んだ景気は、4-6月期に底を打ち、回復を続けているものとみられる。もっとも、足元の消費の動向などを均してみると、回復の動きは緩やかなものにとどまっている。感染の再拡大への懸念や感染防止に向けた特別な対応が求められていることもあり、経済活動がコロナ前の水準を回復するまでには数年を要することとなるだろう。 ここで留意が必要なのは、世界経済の減速と消費増税の影響で、景気はコロナ前からすでに落ち込んだ状態になっていたということだ。新型コロナの感染が収束しても、その時点で消費税率が8%に戻るということはないから、増税の影響は引き続き消費を停滞させる要因として残り続ける。消費税率が8%に引き上げられた2014年4月以降の局面についてみると、3年近くにわたって消費が停滞し景気の停滞感が強まった。 こうした中、新型コロナの影響で家計が急変した世帯や売り上げが大