2020年、新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり消費やコミック「鬼滅の刃」「呪術廻戦」の大ヒットで、久しぶりに明るいニュースが多かった出版界。その一方で、書店閉店はとどまることなく、年数百店ペースで姿を消しているのが現状だ。そんななか、書店はこれまでの「本だけを売る小売業」ではなくなってきている。販売する商材や稼ぎ方も変化。既存の画一的なビジネスからの脱却をめざす書店チェーンの今を追う。第1回は、丸善、ジュンク堂という老舗書店を展開するも、書店事業の収益性は極めて低い丸善CHIホールディングス。 丸善日本橋店 書店ナショナルチェーン、丸善ジュンク堂書店 本好きに「理想の書店はどこか」と聞けば「丸善」や「ジュンク堂」を挙げる人も多いことだろう。丸善CHIホールディングスの傘下として、同社の「書店・ネット販売事業」を営む丸善ジュンク堂書店(東京都)と淳久堂書店(東京都)は、丸善、ジュンク