ブックマーク / shinka3.exblog.jp (9)

  • 若者の**離れ  | 5号館を出て

    我々の業界で、子どもや若者の「理科離れ」ということが朝晩のあいさつのように語られた時期がありました。今でも言っている人がいるかもしれません。遊んでいる子どもたちが昔と同じようにあらゆる自然に対して興味をもっているところを見たり、テレビなどで科学番組がたくさん作られているのを見ていると、私は実感として理科離れを感じることができませんでした。今でも、少なくとも怪しげな「教育」を受けるまで、子どもたちは間違いなく自然が大好きなことを確信できます。 ただし、現実問題として理系の大学に進む若者が減っていたり、技術職を目指す若者が減っているということがあるのだと言われると、それはそうなのかもしれないと思います。しかし、それは理科離れというよりは、理系の職業選択をする若者が減っただけだと思っています。なぜ、理系の職業を選ばないかというと、単純に損だと感じるからではないでしょうか。 同じようなロジックで、

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  • 大学生の就職活動: 1年生から始めさせてはどうでしょう | 5号館を出て

    昨日、国立大学協会、公立大学協会そして日私立大学団体連合会が(1)卒業学年当初や3年以下の学生に対する実質的な採用選考活動を慎む(2)採用活動は可能な限り祝休日や長期休暇に行う(3)正式内定日は卒業学年の10月1日以降にして欲しい、と日経団連や全国銀行協会、リクルートなど137団体・企業に対し、採用活動早期化の是正を求める要請書を提出したという記事が報じられました。(例えば、産経ニュース「授業にならない! 「青田買い」是正を 大学3団体、企業側に要請」参照) たしかに、新卒大学生の就職活動(企業側から見ると採用活動)は年々早期化しており、3年目の冬からというのは当たり前になってきているようです。さらに、通年で採用をしている外資系の存在もあって、新卒採用の「開始時期」というものの存在があいまいになってきて、今年などはすでに3年生の夏頃から動き始める学生も出ているとのことです。 大学院の修

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  • 国立大はお金が欲しくて定員を超過させていたのではありません | 5号館を出て

    ネットでも出ていました。 国立大の定員超過分、授業料没収 文科省、合格数抑制へ 確かに、最近はうちの大学でも定員をオーバーして学生を入学させているはずです。しかし、それは文科省の指導によるものだとばかり思っていました。 もともと国立大学では、教室や教員の数の問題、さらに実験などの科目では設備の問題がありますので、定員を超過して学生を取るとすぐにさまざまな問題が起こり、さらに昔は授業料収入も国庫にはいっていたので、なんのメリットもないということで定員を大幅に超過して入学を許可していたということは、ほとんどなかったはずです。 それが、法人化されて以降だと思いますが、入学定員を割っている場合には運営交付金を削減されるという(噂?)ことで、定員割れを極度に恐れるようになっています。一方、これは最近の風潮だとも思いますが、たとえ北大に入学した学生でも1割くらいは初年度でやめてしまうと聞いています。退

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  • 低俗な記者会見 | 5号館を出て

    明日から始まる(らしい)夏の甲子園(全国高校野球大会)に出場が決まっている高校の補欠野球部員が女子高校生への強制わいせつ容疑で逮捕されたのが昨日のことでした。あらゆるニュースでは例によって、もっぱら同校が甲子園出場を辞退するのか、高野連が出場停止処分をするのか、という化石のような硬直化しきったコメントを必ず付けていましたが、今回の犯人が甲子園出場メンバーにはいっていないこともあって、それで終わるものだと思っていました。 ところが、今日のスポーツ報知のオンライン記事を見て、「報道陣」と書かれている人のあまりのレベルの低さに驚いてしまいました。 「被害女性より部員の気持ち優先か」会見場怒号…桐生一監督交代もなし 犯人についての記述と同校の甲子園への対応は、「同部員は群馬大会でベンチ外だった。同校では大阪入りしている部員29人の関与がないことから、出場辞退はしない方針。日高野連も連帯責任は問わ

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  • なかなか来ない夏休みと適正な大学の数 | 5号館を出て

    7月の最終週になりましたが、大学はまだ夏休みになりません。 数年前までは、この頃になるとほとんどの講義が終了して、試験期間というものがあったのですが、去年くらいから半期の講義時間は15回を必ずこなすことと、最後の16回目には試験をするという「お達し」がさる高いところからあったようで、すべての講義のスケジュールを合わせて最後に試験期間を設けるということができなくなっています。 その結果、8月に入ってもすぐには夏休みは来ず、この夏理学部は8月12日から、また全学教育は13日からようやく夏休みになります。 (C) photoXpress 文科省としては、「大学生の学力が低下している」という世評に危機感を抱いて、大学の授業時間を確保するようにということで、我々および大学生を大学に縛り付ける時間を増やそうとしているのだと思います。 しかし残念ですが、半年のうちでたかだか1時間や2時間の講義時間を多く

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  • 教師からプライドを奪っては教育はできない | 5号館を出て

    数日前の札幌で起こったことだったので、何か情報が入ってくるかと思ったのですが、何も得られませんでした。公式に得られた情報はこれだけです。 毎日新聞ニュースフラッシュ:体罰の女性教諭を懲戒処分 /北海道 札幌市教育委員会は18日付で、男子生徒の頭をたたくなど体罰を振るったとして市立信濃中の40代の女性教諭を減給1カ月(給料の10分の1)の懲戒処分とした。教諭は同日付で依願退職した。 記事の中にあった市教委の発表では、「教諭は5月の給時間中、1年の男子生徒に座ってべるよう注意。指導に従わないため服を引っ張って座らせようとしたが、抵抗され冷静さを失い、生徒の頭を平手でたたいた。興奮した生徒がみそ汁の茶わんを教諭に投げつけたことから、教諭は生徒の手の甲を数回たたいた」というもので、当にこの発表のとおりのことがあって、それで懲戒にしたのだとしたら市教委の人権侵害事件になると確信しました。 推測

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  • 研究成果を必要とする人々が科学者を直接サポートする | 5号館を出て

    今朝の朝日新聞の記事に目がとまりました。 患者団体が1型糖尿病研究を助成 根治療法開発めざす 日では研究をサポートしてくれるのは、ほとんどが政府系それも文部科学省を中心とする財源です。もちろん、医学系の研究ならば厚生労働省や企業からの研究費も期待できます。しかし、政府系の研究費にしても、大企業系の研究費にしても、結局は「国民の声」や「消費者の声」という多数派を代表することになってしまうのは、「資主義」あるいは「民主主義」というものの限界なのかもしれません。 そんな中で、自分たちを悩ませている病気を治すための研究をして欲しいということで、患者さんを中心とする組織が直接研究助成に乗り出したというニュースは、ブレークスルーを感じさせてくれるものでした。 患者団体が1型糖尿病研究を助成 根治療法開発めざす  1型糖尿病に苦しむ患者や家族らでつくるNPO法人「日IDDMネットワーク」(井上龍夫

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  • 大学は、なぜ大学院生を増やしたいのか | 5号館を出て

    10月6日の「ポスドク問題の国家的損害」というエントリーに、たくさんのコメントがついて議論になっています。その中で、Aさんという方のコメントが大学院問題の核心をついた重要な点を指摘していると思われますので、こちらに再掲させていただいて問題を整理したいと思います。 10月13日のAさんのコメントから抜粋します。 これを読んでいる中に大学教育の関係者の方が多いのであれば、せっかく匿名なのですから「なぜ大学は今、大学院生が欲しいのか」について音で話してもらえませんか? これまでの説明ではほとんど理解できません。また、これまでに企業や社会からほとんど必要とされることのない博士を大量生産してきたわけですが、「大学の考える大学院教育は、国民の税金でまかなわれる教育として妥当だったのか」についても意見をうかがいたいと思います。 これに対して私が書いたコメントです。 Aさん。他人事にように言うと叱られる

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  • ヒトは遺伝的多様性が高いので近親交配が危険 | 5号館を出て

    オープンアクセス誌の中で、無駄に厳しい査読をしないということで、ある意味で心配もされていたPlosOneに、またおもしろい論文が載りました。 The Role of Inbreeding in the Extinction of a European Royal Dynasty 日語でのニュース報道もあったので、ご覧になった方もいるかもしれません。 スペイン・ハプスブルク家、断絶の原因は「近親婚」か 研究結果 せっかくですので、論文を中心にご紹介してみます。ただし、私は世界史に(も)弱いので、歴史的記述には誤りがあるかもしれませんので、ご指摘願えると幸いです。話の内容は、日でも結構有名な顎と下唇を持ったハプスブルグ家の家系、特に1700年に途絶えたスペイン・ハプスブルグ家のことです。 これは最後のスペイン国王であるカルロス2世で、Wikipediaによると「先端巨大症のため、咀嚼に影響

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