自動車を運転するとき、突然視界に現れる歩行者や障害物に肝を冷やした経験があるかたは少なくないでしょう。自分自身や身近な人が、ウッカリ車体をこすって傷を付けてしまったり、信号や交通標識を見落とす回数が増えたりしたと感じることはありませんか? 原因は加齢で頭が鈍ったせい…とも限らないのです。 さて、今回は運転に最も密接に関わる「ものを見ること」にまつわるお話を眼科専門医と認知メカニズムの研究者から伺いました。テーマは「視野障害」です。神戸アイセンター病院 研究センター長 髙橋政代氏、西葛西・井上眼科病院 副院長 國松志保氏、筑波大学 教授 伊藤誠氏を招き、7月8日にオンラインセミナーを開催しました。 「視野障害と自動運転の交叉点」ウェビナー全編 ■「運転外来」と「視野障害」 運転免許の取得や更新の際、視力検査が義務づけられています。欧米では視力に加え、視野も検査対象になっています。この視野に障