(英エコノミスト誌 2012年10月13日号) 石油に次いで最も重要なコモディティーは今よりもっと注目されていい。 ただの土を鉄に変える処理工程の発達は、人類が成し遂げた最も独創的な功績のリストの上位に値するものだ。この金属は、超高層ビルや橋、高速道路の骨格を成し、自動車や冷蔵庫、洗濯機の外部構造や内部機関となる。 鉄の不偏性――世界の金属生産の95%を占める――を考えると、鉄の原料である鉄鉱石は、不思議なほどほとんど注目されていない。 鉄鉱石の取引は、金額ベースで原油に次いで大きなコモディティー市場を形成している。2012年には約20億トンの鉄鉱石が採掘される見込みだ。過去数カ月間の価格変動は、世界のコモディティー市場の発熱状態だけでなく、世界経済についても多くのことを物語っている。 今年6月から9月にかけて鉄鉱石のスポット価格は1トン=約140ドルから同85ドル近くまで下落した。これは