プロの囲碁棋士がコンピューターソフトと対局する初の公式戦「電聖戦」が20日、電気通信大学(東京都調布市)で行われ、石田芳夫二十四世本因坊(64)がフランスのプログラマーが開発した「Crazy Stone」に3目半差で敗れた。 石田二十四世本因坊は、コンピューター同士による予選で準優勝だった「Zen」に黒石4個を置かせた不利な状態で戦いながらも中押し勝ち。その後、優勝した「Crazy-」とも4子局で戦ったが、終始リードを許したまま追いつけなかった。 「アマ六段の力はある。人間なら打ってくる場所に打たない冷静さと柔軟さを感じた。天才かも」と“コンピューター”の異名を持つ石田二十四世本因坊も脱帽していた。 チェスや将棋に比べ、考える空間が多い囲碁の分野ではコンピューター開発の進歩が遅かった。このため、同大などが日本棋院に協力を持ちかけ、実現した。