ブックマーク / nukobook.com (47)

  • 思いやりでつながる「素敵な他人」の関係 |

    『大家さんと僕 これから』 矢部 太郎 (著) 新潮社あらすじ初めて出した単行が大ヒットとなり、一躍時の人になった僕。忙しい毎日を送るなかで、大家さんとの楽しい日々には少しの翳りが見えてきて…。感動の物語、堂々完結。 トホホな芸人、カラテカ矢部さんと、80代の大家さんのほっこりとした日常を描いた「大家さんと僕」の続編。 大家さんからのおすそわけは、鮎とともに魚焼きの網、肉まんとともに蒸し器がセットでついてくる、そんな大家さんは電子レンジが苦手なようです。 戦争を語り、伊勢丹を愛するおちゃめな大家さんですが、骨折されて入院。病院へお見舞いに行く矢部さんですが、別れの時が訪れて…。 まとめ大家さんとの日常を描き、一躍有名になった矢部さん。他人同士でありながら節度と思いやりを持った二人の関係は、周囲の人間をあたたかな気持ちにさせてくれるのです。 <こんな人におすすめ>高齢な大家さんとお笑いのほ

  • だれでも、心の中に少女を飼っている |

    『少女病』 吉川 トリコ (著) ポプラ文庫あらすじ母親と呼ばれることを嫌う、変わり者の少女小説家の母・織子と、父親が違う三人の娘はいっしょに暮らしていた。 四人に共通するのは「母親のようにならない」こと。 自分の中の少女性を持て余し、苦悩する女性たちの姿を描く。 家事全般をこなす、おっとりした長女の都。 漫画家の彼と付き合う、現実主義の次女、司。 父親の顔すら知らない、真面目な三女、柴。 それぞれ違う父親を持ち、性格も異なりますが、全員に共通するのは「母親のようにならない」という思い。 それを抱えながらも、現実から目をそらしているという事実は、彼女たちが持つ少女性のゆえであり、同時に母親がもつものと同じ、ということに気づかされるのです。 まとめ母・織子の母らしからぬ言動と行動に、驚きあきれながら、その彼女への葛藤を消化し、乗り越えていく女性たちの姿をいきいきと描く物語です。 <こんな人に

  • 「通じない恐怖」を克明に描き出す短篇集 |

    『他人事』 平山 夢明 (著) 集英社文庫あらすじ交通事故に遭った男女を襲う「無関心」という名の恐怖を描く代表作、孤独にクラス女性にふりかかる理不尽な災禍、定年を迎えたその日に、同僚たちから受ける仕打ちに身を震わせる男のおののきなど、理解不能な他人とのやりとりが生み出す恐怖を描いた短編集。 交通事故に遭った男女は、互いの状態を確認。身動きが取れず、しかも一刻を争う状況であることがわかります。 そこに一人の男性が通りかかったので、その男性に助けを求めるのですが。 救急車を呼んでほしい、ただそれだけなのに、事故の状況や男女の言い方に文句をつけたりと、よくそこまで無関心になれるものだなと背筋が寒くなります。 まとめ他にも、理解不能な人物たちとのやりとりから発生する恐怖を、暴力的、グロテスクに描き出す14編。 異様ではありますが、ほんのちょっと日常がズレたら、こんな世界も存在するのでは、と思わせる

  • 卒母後もりえさんの快進撃はつづくのだ |

    『りえさん手帖』 西原 理恵子 (著) 毎日新聞出版あらすじ卒母したサイバラさんが最強のおばさんになってやってきた!もはや怖いモノなしのりえさんは、自由な翼で羽ばたき、これからの人生を楽しむのだ!! トレーニングしても全然減らない体重、20歳になった息子の成長ぶり、おばさんの生態、死生観。1人の女性としての日々を綴る「りえさん」の身についた脂肪は重いけど、いろんな思い込みから自由になったり、図太くなったりして、心はとても軽やかです。 まとめ運動苦手な彼女がジムに通い、ガチでトレーニングし、ダイエットに成功した話にも注目です。減らない体重に何度もくじけそうになりながら、ついにやせた!!その大きな要因とは…?大きく笑って時にはしんみりしたり、じんとしてみたり。卒母しても「おばさん」として楽しませてくれる一冊です。 <こんな人におすすめ>子育てを卒業した女性の生き方に興味がある 50代のダイエッ

  • 深い絶望は人を明日に向ける力を奪っていく |

    『イノセント』 島 理生 (著) 集英社文庫あらすじイベント会社の代表を務める真田幸弘は、数年前に函館で出会った若い女性、比紗也に東京で再会する。シングルマザーであり、美しく捉えどころのない比紗也に惹かれていく真田。 一方、若き神父・如月歓は比紗也と知り合い、話すうちに彼女の抱える問題を解決すべく助けようとする。2人の男が守りたいと思う、比紗也が抱える深い絶望とは。 魅力的でありながら、どこか翳を帯びる比紗也に強く惹かれる真田。衝突を繰り返しながらも比紗也の子供とも仲良くなり、2人の心の距離は近づいていったかのように見えたのですが。 まとめ彼女の過去は、彼女の心を捉え、縛り、彼女が幸せになることを防いでいるかのようです。神とは何か、生きること、幸せとは、この試練を受ける意味とは。若い比紗也にとって思考停止し、動けなくなるほどの深い絶望。しかし、目を開け、再生していこうとする彼女の姿に感動

  • 幸福になるために持ちたい「資産」とは |

    『マンガ 宝くじで1億円当たった人の末路』鈴木信行 (著), 星井博文 (その他), 松枝尚嗣 ほか (その他) 日経BP社 あらすじ「宝くじで1億円当たった人」「事故物件を借りちゃった人」「『友達ゼロの人」「キラキラネームの人」など、様々な状況に置かれた人たちの「末路」をまんがと文章で描きます。 宝くじで1億円が当たった坂下健一52歳。家族が欲しがるものを買ってあげたり、コンサルタントがすすめるままに開業したりします。消費にばかり目を向ける坂下が迎える末路とは…。 まとめ突然の大きな収入は、人や周囲の人格をも変化させてしまう場合があります。また、気が大きくなって自ら学ぶことをしなくなることも。「お金」も大事ですが、お金のあるなしに関わらず「仲間」と「才能」を手に入れることが大切だと書は解説しています。自分がどんな状況になっても態度が変わらない仲間、そして苦しくなっても自らの力で立ち直

  • 人間関係における贅沢は人間にとって最大の贅沢 |

    『砂漠』 伊坂 幸太郎 (著) 実業之日社文庫あらすじ何ごとにも冷めた目線を持つ北村。仙台市の大学に進学した彼は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力を持つ南、とびきり美人の東堂、極端に熱くてまっすぐな西嶋。麻雀に取り組み、合コンに参加し、時には犯罪者を追いかける。光に満ち、時には影を落とす喜びと痛みを描く、珠玉の青春物語。 何とも個性豊かな男女5人の大学生活。麻雀をしたり、合コンをしたり、楽しく過ごしながらも、賭けボーリングをする羽目になってしまった鳥井。この出来事をきっかけにさらなるトラブルに巻き込まれることに…。 まとめ仲間たちと過ごすことで、常に冷めた目線で周囲を眺めていた北村が、だんだんと変わっていく姿や、その他の四人が成長していく姿に胸がじんとします。最高の人間関係を手に入れた彼らの、青春物語です。 <こんな人におすすめ>大学生たちの友情と成長を描いた話を読みたい

  • 山奥に潜む 最強の四人の老人 |

    『四人組がいた。』 髙村 薫 (著) 文春文庫あらすじ郵便局兼集会所に日がな集まり毒を吐きながら過ごす四人の老人。車もめったに通らない山奥の村で、過去の話や他人の悪口に花を咲かせていると、時おり見慣れぬ客がやってくる。四人組はいい暇つぶしができたとばかり、客の相手をするのだが…。 自称村一番の教養人の元村長、自称村一番の常識人の元助役、自称元プレイボーイの郵便局長、自称小股の切れ上がった熟女のキクエ小母さん。四人の老人たちが地元や都会の人間、そして人ならざる者を相手に大騒ぎします。 まとめ山の動物たちとも親交が深く、だましだまされ、持ちつ持たれつ、一枚うわてな老人たち。日の山奥の過疎の村でありながら、住む者たちのユートピアのようにも感じられます。最強老人たちの放つブラックユーモアが炸裂する物語です。 <こんな人におすすめ>田舎の老人たちが巻き起こす騒動を描いた話に興味がある ファンタジー

  • 「毒親」の「毒」とは?親を理解できない苦しみを描く |

    『謎の毒親』 姫野 カオルコ (著)  新潮文庫あらすじ母の一周忌をすませた週末、光世は大学時代に通っていた文容堂書店へ、数十年ぶりに訪れた。店に貼られていた「城北新報」の相談コーナーへ、自分が両親から受けた様々な行為について相談してみようと思い、PCの電源を入れた。 「城北新報」ならびに相談コーナーは、書店の店長夫婦が作成していたものです。封書で光世の相談を受け取った夫婦は、回答の返信をしたため、さらに光世と事をしたりと交流を深めていきます。 まとめ光世は、幼い頃から突然罵倒されたり、無視されたり、異様な接触をされたりと、両親から不可解な態度を取られていました。ただ事もして、学校も行かせてもらっているので光世人は毒親と言わないのでは?とも思っているようです。予測できない親の言動や行動に戸惑い、傷つきながらも「感謝しようとする」子の思い。子供の「当の思い」の存在すら気づかない。それ

  • ぽっかりと空いた穴を抱えて、生きていく |

    『骨を彩る』 彩瀬 まる (著) 幻冬舎文庫あらすじ十年前にがんでを亡くした津村は、中学生の娘と二人で暮らしている。心揺れる女性に出会ったが、が夢の中にあらわれるようになった。の姿を見るたびに手の指が1ずつ減っていた。喪失感を抱えた人々の姿を描く。 の死後から十年。気になる女性もあらわれたのだが、夢の中にが登場するようになります。そこでが残した手帳を見返した津村は「誰もわかってくれない」と書かれた一文に衝撃を受けます。そして夢の中のは、見るたびに指の数が減っていくのです。 まとめ心にぽっかりと空いた、埋められない穴を抱えた人々。失ってしまった人はもう応えてくれないけれど、残してくれたものが輝く瞬間があります。それを美しい情景と言葉で、読む者の心の奥深くまで沁み込ませてくれるような、甘い痛みを伴う物語です。 <こんな人におすすめ>喪失感を抱えた人を描いた話を読みたい 心の傷を

  • ワインとともに成長していく双子の物語 |

    『月のぶどう』 寺地 はるな (著) ポプラ文庫あらすじ大阪で、曽祖父の代から続くワイナリーを営み、発展させてきた母が亡くなった。仕事のできる母を目標にしてきた姉の光実は、あらゆる事から逃げてきた弟の歩とともに家業を継ぐことを決意する。ワインづくりを通し、成長していく双子の姉弟の物語。 ワイナリーを発展させた優秀な母親のようになりたいと、ワインづくりの仕事に励む光実は、努力家で弱音を吐かない頑固者。双子の弟、歩は何かの才能に秀でるでもなく、常に愛想笑いを顔に貼り付かせ、伯母のカフェでバイトをしている。母が亡くなり、光実は歩にワインづくりを手伝えと言う。 まとめ歩と光実、それぞれの母への感情、ワインづくりへの思いと葛藤、さまざまな思いを抱え、気づき、成長していく姿を描かれています。成長に伴う苦しみや痛み、それを見守る周囲の人々の温かさに胸が熱くなる物語です。 <こんな人におすすめ>ワインが作

  • 若者を食い物にする奴らを許すな! |

    『西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII』石田 衣良 (著) 文春文庫 あらすじ池袋の雑居ビルの屋上から、一人の若者が身を投げ、自殺を図った。彼は急成長している飲チェーン店の従業員。彼は一命をとりとめたが、次の犠牲者が発生する。甘い言葉で若者を誘い込み、徹底的に絞りあげるブラック企業にタカシとマコトが斬り込む。表題ほか3編を収録した短編集。 若者の社会問題を含んだ「今」を切り取る「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ第12弾。このところ急成長している飲店チェーンの「OKグループ」。社員に対する教育という名の監視が厳しく、ミスが続けばパワハラまがいの言葉を投げつけられ、自分から退職するよう、脅されれる。こんな日々に嫌気がさしたある若者がビルの屋上から飛び降りた。 まとめ雇用主と従業員の歪んだ関係は、一時は成果をあげるかもしれませんが、砂上の楼閣でしかありません。弱い立場であ

  • 知らないうちにたまっていくのはホコリと心の傷 |

    『あなたの人生、片づけます』 垣谷 美雨 (著) 双葉文庫あらすじ「部屋を片付けられない人間は心に問題がある」との考えを持つ片付け屋・大庭十萬里。彼女は依頼人の部屋を見て、人間を見て、綺麗な部屋へと戻していく。 社内不倫に疲れたOL、に先立たれた老人、一部屋だけ片付いた部屋がある主婦。どれも人ではなく、周囲や家族の人間が心配して十萬里へ依頼します。当の人たちは反発しますが、人が自分で問題に気づくように仕向けながら、少しずつ片付けを進めていきます。 まとめ愛想は決して良いとは言えず、鋭い目つきで部屋を眺め、音で発言していく十萬里。彼女の手にかかれば、見ようとしなかった自分自身の問題点に気づくのです。つみあげたり、奥にしまいこんでホコリをかぶっているのは、目を向けたくない、自分の心の傷なのかもしれません。 <こんな人におすすめ>汚部屋に住む人間の心理を描いた話を読んでみたい どのよう

  • 理想郷なんてどこにも存在しないのだ |

    『ユートピア』  湊 かなえ (著) 集英社文庫あらすじ太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。昔からずっとこの町で暮らす住民と、新たにやってきた住民が混在している。この町で生まれ育ち、幼い頃の事故により車椅子生活となった小学生の久美香を広告塔に、車椅子利用者を支援するブランドを立ち上げた陶芸家のすみれ。しかしある噂がネット上で流れはじめてから、徐々に歯車が狂い始める。 地元で暮らす仏壇店の嫁、転勤でやってきた主婦、景色が気に入り、東京から移住した陶芸家。何かしらを心に抱えた三人の女性は意気投合します。 まとめどことなくよそ者同士として気が合っていたところもある三人。ある者は必死に理想を追い求め、ある者は今あるものを守ろうと懸命になります。理想郷などというものは当はなくて、目の前にある幸せに気付けるか、それを周囲を気にせず全力で守り切れるかということが大事なのだということを教えてくれる物語

  • 自然界と人間界を生きたオオカミの数奇な生涯 |

    『白い牙』 ジャック・ロンドン (著), 白石 佑光 (翻訳)  新潮文庫あらすじ半分イヌの血が混じった赤い牝オオカミと片目の年老いた雄オオカミの間に生まれた、ホワイト・ファング(白い牙)と呼ばれた灰色オオカミ。厳しい自然界で数々の洗礼を受け、人間のもとで生きる事となったファングの数奇な運命を描く。 ゴールドラッシュの時代、北の原野を舞台に描く孤独な灰色オオカミの生涯。母オオカミに守られながら飢えをしのぎ、狩りを学んでいくファングは、ある時母オオカミと共にインディアンに捕まってしまいます。インディアンに飼われている犬たちとケンカしながら、決して交わらないファング。その後飼い主は転々とし、最終的に絶対的な信頼を寄せる主人とめぐり会います。 まとめみなぎる野生の血、生への渇望、生き残るための冷静さを持ったファングが、人間へ感じる畏怖や、信頼による従順さを示していく様子に大きな感動を覚える物語で

  • 日本が戦争を選んだ理由を考えてみよう |

    『それでも、日人は「戦争」を選んだ』 加藤 陽子 (著) 新潮文庫概要明治以来、四つの対外戦争を戦った日。指導者、軍人、官僚は、情勢をどのように判断し、決断に至ったのか。また、一般市民はその決断に対し、どのような反応を示していたのか。中高生への5日間の集中講義を通して過去の戦争を考える。 時おり生徒たちの鋭い質問を挟みながら、各戦争の状況や時代背景について考えます。歴史の授業で学ぶものはほんの一部の限られた情報であったことがよくわかります。 まとめなかでも満州事変、日中戦争から太平洋戦争への流れは中国視点での資料もあり、知らなかった中国の世界的立場や対処が見え、中国への印象が変わります。書は各戦争についての見解を述べるのではなく、各々が自分自身で「戦争を選んだ理由」を見つけるための助けとなる一冊なのです。 <こんな人におすすめ>なぜ日戦争をすることになったのかを知りたい 他国や日

  • 魅力を引き出す感性と画力に感服 |

    『謎のあの店 3』  松英子 (著) 朝日新聞出版あらすじずっと心の中で謎だった店や街を訪れるルポルタージュコミックエッセイ。 民家カフェ、戸隠神社、居酒屋、湯治、モッチーピザ屋…。 飲店から名勝、由緒ある神社まで、様々な場所へ出没。 作者独特の観点から教えられる、各地の楽しみ方酒好き、四十代後半女性の体の具合など、共感できる部分も多数ある一方、各地に対する「おもしろい」と著者が感じる部分が独特で、「なるほど、こんな風に楽しむのか」と目からウロコが落ちるようです。 まとめ何よりも素晴らしいのはその画力。広域に捉える景色は細部までみっちりと描かれています。 著者のトボけた自画像とマッチしていて、ついその場所に行ってみたくなるコミックエッセイです。 <こんな人におすすめ>変わったお店や場所のルポを読みたい 細部まで書き込んだ絵柄が好き 松英子のファン

  • 「できたらいいな」を叶えるノート術 |

    『夢をかなえるノート術』  おふみ (著) エクスナレッジ概要コツコツ書くうちに楽しくなって、気づいたら夢が叶っていた!なりたい自分になるための、ノートの書き方・付き合い方。 ノートに書くことで夢が叶う?夫と二人暮らしの著者。モノに溢れ、物事がうまくいかなかった状態が続いていたが、自分の考えや現状をノートに書き続けていたところ、いつの間にか夢が叶っていたことに気づきます。 まとめ「書く」ことで冷静に自分の状態を見つめ、当に望むものが明確になるのです。続けられるノートの書き方、ノートの活用術など、楽しみながら書くコツも紹介。叶えたい夢がある、書くことが好き、という方におすすめのノート術です。 <こんな人におすすめ>絵や字を書くことが好き 叶えたい夢がある やりたいことが見つからない 過去のイラストレビューを更新しました。 『夢をかなえるノート術』です。#夢をかなえるノート術  #おふみ #

  • 誰もいない病棟で行われるのは… |

    『リハーサル』  五十嵐 貴久 (著) 幻冬舎文庫「BOOK」データベースより花山病院の副院長・大矢は、簡単なオペでのミスを新任の看護婦・リカに指摘され、“隠蔽”してしまう。 それ以来、リカの異様な付き纏いに悩まされる。 一方、病院内では婦長の転落を始め陰惨な事故・事件が続発。そして、大矢の美しき婚約者・真由美が消えた。 誰もいないはずの新築の病棟で、彼が対面したのは…。シリーズ史上、最も酸鼻な幕切れ。 イラストブックレビューの制作動画はこちら『リハーサル』のイラストブックレビュー制作動画を作りました。 テキストやイラストが出来上がっていく様子をお楽しみください。

  • じいちゃんのワインには物語がたっぷり詰まっている |

    マタタビ酒はさておき。 こちらはフランスのバンド・デシネ作家が ワイン醸造家であるおじいちゃんを描いた お話よ。 『じいちゃんが語るワインの話 ブドウの年代記』 フレッド・ベルナール (著),‎ 田中 裕子 (翻訳) エクスナレッジ あらすじブルゴーニュ地方のワイン醸造家の長男として産まれながら、家を継がずバンド・デシネ作家となった著者が、90歳になる祖父からワインに関するよもやま話を聞き、描くコミックエッセイ。 ワインひとすじで生きてきたじいちゃんの話ワイン以外の水分は口に入れない、村人が作ったワインならほぼ言い当てる、「スノッブはバカ」と主張する、豪快でお茶目なじいちゃんの人生は、ワイン抜きでは語れない。おじいちゃんのなみなみならぬワインへの情熱がユーモアを交えて、楽しく伝えられています。 まとめワイン畑の美しい四季のうつろい、畑に訪れる生き物たち。ワインができるその環境は、連綿と繋が