KIRINJIが約2年ぶりとなるニューアルバム『愛をあるだけ、すべて』をリリースする。 シングル曲「AIの逃避行 feat.Charisma.com」「時間がない」を含む本作は、生演奏とエレクトロニクスを融合させた現代的なサウンドメイク、そして、これまでのキャリアのなかで培われたポップマエストロとしての技術がバランスよく共存した作品に仕上がっている。 リアルサウンドでは、堀込高樹(Vo/Gt)にインタビュー。本作のコンセプト、制作スタイルを軸にしながら、メジャーデビュー20周年を迎えた心境、現在のポップス観などについて語ってもらった。(森朋之) 「今回のアルバムは低域の処理がキモになっている」 ーー前作『ネオ』は現代的なダンスミュージックにも通じるサウンドメイクを施した作品だったと思いますが、本作『愛をあるだけ、すべて』に関しては、どんなビジョンがあったんでしょうか? 堀込高樹(以下、堀込