セリエAに“極小クラブ”が誕生した。2部のセリエBでカルピが創立106年で初のトップリーグ昇格を達成。イタリア北部エミリア・ロマーニャ州にあるホームタウンのカルピは人口約6万7000人、ホームスタジアムのサンドロ・カバッシは定員4144人。5シーズン前まで5部に所属していたプロビンチャ(イタリア語で地方クラブ)が起こした奇跡的な快進撃の背景を探った。 定員4144人の本拠地を満員にした地元サポーターが歴史の目撃者となった。1909年創設以来、長年3〜5部を行き来していたカルピが、4月28日にホーム・バリ戦でセリエA初昇格を決めた。人口7万人弱。ACミランの本拠地ジュゼッペ・メアッツァの収容人数(約8万人)にも満たない地方都市の快挙に、ベレッリ市長は「街の誇り。奇跡のクラブだ」と目を細めた。 09〜10年のセリエD(5部)から1部まで6年で駆け上がった。快進撃のきっかけは11年の経営交代