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ブックマーク / chikirin.hatenablog.com (13)

  • “仕事より人が多い”ということ - Chikirinの日記

    雇用が大変なことになっている。 ざっと数字だけ見てみると、 ・7月の就業者数は6270万人(前年比136万人減少) ・7月の完全失業者数は359万人(前年比103万人増加) ・完全失業率は、5.7%と史上最悪。 ・分けてみると、男性は6.1%(初の6%台)、女性は5.1% ・15〜24歳の完全失業率*1は、9.9% ・7月の雇用調整助成金の対象者数は243万2565人(前月比2%増、前年比だと約10倍) 雇用調整助成金とは(企業が従業員に払う)休業手当を国が一部助成する制度。利用しているのは、愛知県、大阪府、東京都の中小企業が多い。この補助金がもらえなければ、243万人の多くが解雇される可能性もあり、その場合は失業率が3.88%アップする。つまり5.7%ではなく、9.6%になる。 しかも、大企業にはこういう制度を利用せず、余っている人材を自社内で囲っている(?)ところもある。そういった“企

    “仕事より人が多い”ということ - Chikirinの日記
  • ありゃりゃ、日本人どんどん貧乏に - Chikirinの日記

    国民生活基礎調査*1を見てたら、「日人がどんどん貧乏になってまっせ」というデータが載ってたのでグラフにしてみました。 下記は世帯主年齢別の平均所得です。単位は万円。赤い線は平成6年の所得(7年の調査)で、青い線は平成19年の所得(20年の調査)です。間隔は13年ですね。*2過去13年で年代別の所得がどう変わったか。 うーん、ずいぶん下がってるんですね、私たちの所得・・ 思ったことはふたつ。ひとつは「全年代で下がってるんだな〜」ってこと。 ふたつめは「やっぱりちゃんと、中高年の所得が“より”下がってんじゃん」ってこと。 世の中ではよく「中高年もらいすぎ論」が言われてますが、ちゃんとその修正が進みつつあるのね。てか20代とかそもそも貧乏すぎて、これ以上は下げられなかったのかもしれませんが。 50代なんて平成6年には世帯収入平均で900万円近かったのに、150万も下がってます。50代と言えば子

    ありゃりゃ、日本人どんどん貧乏に - Chikirinの日記
  • かんぽの宿 5つの論点 - Chikirinの日記

    この件、ちょっとねじ曲げられすぎです。5つの論点にわけてまとめておきます。 論点1 売却価格は当に109億円なのか? かんぽの宿の売却価格である 109億円が安すぎると騒いでるアホな人がいますが、これ、実質的には 109億円ではありません。 まず、この施設の年間の赤字額は約 50億円と言われてます。 いくらなんでも、来年から黒字になんてできません。買った人は、当面の赤字分も補填する覚悟があるんです。 また、70カ所もあるかんぽの宿を建て直すには、それなりの経費が必要です。改装も宣伝もせず、新しい支配人の採用もせずに、大幅赤字のビジネスを立て直すなんて無理です。 ひとつの施設に 1億円の投資をするとしても 70億円必要だから、これも 109億円に加えて負担する必要があります。また、一部の不採算施設を閉めるための経費も必要かもしれません。そういう経費と投資をする資金も(当面の赤字補填に加えて

    かんぽの宿 5つの論点 - Chikirinの日記
  • 全体最適 vs. オレ様最適 - Chikirinの日記

    「全体最適」という概念があります。 個々の構成員にとってではなく「組織や社会全体にとって最も価値が高くなる方法」を選ぶ考え方です。 最近よく聞くようになった「トリアージ」 大災害や大事故が起こり、治療を要する人が大量に発生して医療キャパシティがたりない時、専門の医師が治療の優先順位を考える手法のことです。 優先して治療を受けるべしとされるのは「より重症の人」ではなく、「治療する意味のある人」なので、その時点で「手を尽くしても既に治療の甲斐がない」と判断されると優先順位が低くなります。 こうすることにより、救える命の数が「全体として最大化」できるわけですね。 もうひとつの例は、倒産しそうになった企業を国が税金で支援すべきかどうかという議論です。 銀行や日航空には国の支援が入りましたが、普通の民間企業が倒産しそうになっても税金での支援などありえません。 ここでも「特定の企業に関しては、税金で

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  • サラリーマンの年収分布 - Chikirinの日記

    昨日のエントリに関連してるような、してないような、データのご紹介です。 国税庁の資料*1より、平成19年に一年を通して給与所得者であった、4543万人の年収分布を転記しました。公務員や自営業、経営者(役員含む)と、年間通して働いてない人(数ヶ月だけ給与所得者だった人)は含みません。男女ですごく違うので分離して書きました。男性は男性の表を、女性は女性の表をご覧ください。 ちなみに自営業&経営者の人は、下記分布よりももっと“格差”が大きいと思います。つまり上はもっと(桁違いに)多い額を得ていると思うし、一方で下の人も数もっと多いでしょう。反対に公務員だけで表を書けば、完全に年功序列なわけだからきちんと“年齢分布”と同じ分布の表になるんだと思われます。 自分のポジションが客観視できるよう下から数えて何%に入るか、と、上から数えて何%に入るか、を計算しておきました。自分がどこにいるのかを見て、喜ん

    サラリーマンの年収分布 - Chikirinの日記
  • “失業者”と“人手不足”が併存するわけ - Chikirinの日記

    不況でどんなに失業者が溢れていても、一方には人手不足業界が存在します。だから失業対策の話になるとすぐに「○○分野は人手不足だから、そこで失業者を雇えばいい」という話になります。 けれど実際にはロジックは逆です。 人手不足の市場にはすべて“人手不足である理由”が存在します。それらの市場は、“多くの人を雇用できない理由があるから”、もしくは“継続的な雇用維持が困難だから”、結果として人手不足なのです。 なので、失業者を無理矢理に人手不足市場に就職させても、根問題が残る限り雇用は長くは維持できず、どちらの問題も解決しません。 ★★★ ところで、なぜ多くの失業者がいる一方で“人手不足”の市場があるのでしょう?ここでは、人手不足業界としてよく挙げられる3分野について考えてみます。 (1)外サービス業 (2)医療&介護 (3)農業 それぞれ人手不足の理由を考えてみると (1)外サービス業 熾烈な

    “失業者”と“人手不足”が併存するわけ - Chikirinの日記
  • あまりに危機感のない人たち - Chikirinの日記

    政治家やそれを報道する人たちが「景気対策」という言葉を使うことにものがすごく違和感があるちきりんです。だって今必要なのは景気対策じゃない。セーフティネットの拡充なんです。しかもすごく急ぐ必要がある。次の3ヶ月、6ヶ月、当に大変なことになるよ。 景気対策というのは、「需要を刺激してもっと買ってもらえるようにして、供給側が赤字にならないようにする。」ということです。これは“通常期”にはよいと思うのですが、“危機的状況”においてこんなことをしても「誰が消費を増やすねん、今?」って思うのです。あほちゃうか、と思います。 定額給付金もそうですが、今少々手元に入るお金が増えても「よっしゃ、じゃあ車買い換えよう!」とか「カシミアのコート買うことにした!」とか、いやそこまでいかなくても「じゃあ、今日は皆でぱあっと焼き肉にいこう!」とか思うような経済状況だと思ってるんだろうか、今が? 公共事業を増やしてゼ

    あまりに危機感のない人たち - Chikirinの日記
  • バレる理由は3つとも同じ - Chikirinの日記

    まったく同じ構造ですね。あまりにきれいに同じ。 (1)品偽装 ここ数年、やたらと続いたのが品会社のスキャンダルです。赤福や白い恋人などの菓子メーカーから、吉兆などのレストラン、その他、肉加工業者まで、「客の残した材を使いまわし」「回収品を再利用」「実は国産品じゃなかった」などがバレて告発、報道されています。 大半のケースで「不正は十数年にわたり行われており・・」とのことだから、決して「昔はなかった偽装が今は増えてきた」わけではありません。単に「昔は偽装がバレなかったが、今はバレやすくなっている」だけなんです。 なんでバレ易くなったかといえば、不正を知りつつ働いていた人たちが、昔は「みんな正社員だったが、今は大半が非正規雇用や派遣社員だから」ですよね。 いいこととは思いませんが、正社員にはその会社の“家族”として、会社を守ろうという意識があります。その代わり、会社は一生自分を守ってく

    バレる理由は3つとも同じ - Chikirinの日記
  • 変じゃない?“事故米”報道 - Chikirinの日記

    ミニマムアクセス米の“事故米横流し事件”に関する報道にあれこれ違和感を感じるちきりんです。現在マスコミが報道していることは“間違いではない”が、必要な情報をカバーしていないし、大事な点に焦点を合わせてない、と思う。 たとえばこの件でちきりんが知りたいのはこういうことだ。 (1)“基準の2〜6倍のメタミドホス”の意味 こういう報道が多いでしょ。これって“現在の日の規制基準値の○倍”という意味だと思うのだが、日は米に関しては特に基準値が厳しいのではないか、という気がするよね。 そうだとしても、理由はもちろんの安全のためだ!ということなのだろうが、実はこういった農薬基準をすんごく厳しくすることは「海外からの輸入を抑制するために非常に有効な方法」のはず。非関税障壁としても意味がある。 なので、「日の基準の2倍から6倍の農薬残留量」というのが、「世界の他の国では特になんの問題もない量」なのか

    変じゃない?“事故米”報道 - Chikirinの日記
  • 「実力」×「プレッシャー耐性」 - Chikirinの日記

    ちきりんは「古き良き時代の日企業」で働いた後、極端にアグレッシブな人事制度をもつ米系の投資銀行でも働いたことがあります。 転職前には「そのうち日企業も年功序列や終身雇用を維持できなくなる。だったら早めに欧米的な組織環境に慣れておいた方がいいよね」と思っていました。 けれど実際に外資系企業で働いてみてわかったのは、「こんなに高いプレッシャーの下で楽しく働けるのは、ごく一部の人達だけだ。大半の人はこんなところでは力が発揮できないだろうな・・」ということでした。 別にそれは、あからさまに目に見える厳しさではありません。そこら中で誰かが罵倒されているとか、毎週誰かが解雇されるとか、そういうことではないのです。 職場には冗談も飛び交っているし、みんなよく笑います。同僚や上司ランチべ、帰りに飲みに行くこともあり、一見すれば日企業と何も変わりません。中には何も教えてくれない先輩もいるけれど、

    「実力」×「プレッシャー耐性」 - Chikirinの日記
  • 過去20年、労働市場で起ったこと(まとめ) - Chikirinの日記

    二日前に書いた話、あの日には“脳みそ切れ”で書けなかったことを補足的にまとめておきます。早めに書いとかないと忘れてしまうからね。とどのつまり「過去20年間にこの国の労働市場でいったい何が起こったのか。」 まずはデータをもう一度見てみましょ。 35歳未満:人口78万人増、正社員が239万人減、非正規雇用が373万人増 35〜54歳:人口267万人減、正社員が35万人減、非正規雇用が273万人増 55歳以上:人口383万人増、正社員が254万人増、非正規雇用が394万人増。 皆が最も注目するのが、唯一正社員の絶対数が増えた55歳以上層でしょう。当時35歳〜だったこの世代は、経済大国になった日で正社員雇用され、すべての人生を会社に捧げてきた人達です。いわゆる団塊世代を含み、労組の組織票の中心世代でもあります。 この層の雇用を守るということが、過去10年以上にわたって経済後退に苦しんだ日の最大

    過去20年、労働市場で起ったこと(まとめ) - Chikirinの日記
  • 正社員ポジションはどこへ? - Chikirinの日記

    昨日使ったデータについてさらに調べてみたら、おもしろかったのでまとめておきます。 その中には、昭和62年(1987年)と平成19年(2007年)の比較で次のような数字がありました。 1987年の被雇用者数=4306万(正規雇用3456万人+非正規雇用850万人) 2007年の被雇用者数=5326万(正規雇用3436万人+非正規雇用1890万人) 2007年のほうは、社民党、民主党、さらに“ロスジェネの味方のふりをしているマスコミ”が「今や会社員のうち35%以上が非正規雇用!」と報じる元データです。 でもよく見ると「あれっ?」と思いませんか? だってこのデータをみる限り、過去20年で正規雇用数はほとんど変わってないですよね。非正規雇用が増えてるだけなんです。しかも1000万人も! これだとその意味するところは、「正社員が減って、不安定な非正規雇用が増えた」のではなく、「正社員は減っていない。

    正社員ポジションはどこへ? - Chikirinの日記
  • 新聞業界 崩壊の理由5つ、いや6つ - Chikirinの日記

    「毎日新聞の英語版オンラインウエブサイトに、英語で、ほとんどポルノ小説のような記事が長期間掲載されていて、海外の日人等多くの人から警告やクレームがあったにもかかわらず毎日新聞が事態を放置。 結局、毎日の HP に広告を出していた企業が広告を引き上げる、という状況になって初めて毎日新聞も事態の深刻さを理解し収拾に乗り出した」という事件。 記事を書いていたのは「英語と日語はできるが、それ以外の能力は(社会性も判断力も含め)何もない」というよくいるタイプの外人さんのようで、毎日側にはそういう人を管理する意思も能力もなかったんでしょう。 それにしてもこの事件で一番不思議に思えたのは、「毎日新聞がわざわざコストかけてネットで英語記事を書く必要って何?」という点。 “日語かつ紙媒体”という丸市場の方でさえ「毎日新聞不要論」が根強いのに、なんで毎日が英語で記事書く必要があったんだろうね。かなり不

    新聞業界 崩壊の理由5つ、いや6つ - Chikirinの日記
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