カルビーのシリアル食品「フルグラ」が好調だ。今期(平成24年4月〜25年3月)の売上高は前年比約1・6倍となることが見込まれ、「かっぱえびせん」などスナック菓子で首位の同社はシリアル食品市場でも存在感を示しつつある。昭和63年の発売から25年が経過。一時は事業消滅の危機もあったが乗り越えた。成功の秘訣(ひけつ)はヒット商品「じゃがりこ」にも共通する「食感」への強いこだわりと、目先の収益にはこだわらない「お客さま視点」だった。 「アメリカではグラノーラが食事となっているが、日本でもやってみてはどうか」。スナック菓子メーカーのカルビーがシリアル事業に乗り出したのは、米国を訪れた当時の経営幹部の提案がきっかけだった。幹部は50年に発売した「ポテトチップス」の調査でたびたび米国を訪れており、その際に穀物を焼いた手軽で栄養価の高いグラノーラに目をつけた。当時、国内のシリアル市場は未発達で、「かっぱ