米中の間で「新冷戦」と呼ばれる覇権争いが続いている。今、アメリカは中国に対して何を考えているのか。またその逆はどうなのか。キーマンたちの主張から見えてくることとは? 『海洋戦略論』著者で2等海佐/海上自衛隊幹部学校 戦略研究室教官の後瀉桂太郎氏が分析する。 今の米中関係はWin-Winか? 2020年7月23日、ポンペオ米国務長官はカリフォルニアのニクソン元米大統領記念図書館において「共産主義中国と自由世界の未来」と題するスピーチを行いました。 わざわざニクソンゆかりの場所でスピーチを行ったことには理由があり、約半世紀前にニクソン大統領とキッシンジャー大統領補佐官(のちの国務長官)らが進めた対中関与政策を根本的に転換し、中国との対立と競争が米国の外交上の基調となっていることを強調するためです。 米国務省HPによれば、ポンペオ長官は「キッシンジャー博士の極秘ミッションとニクソン大統領訪中から