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ブックマーク / j.ktamura.com (37)

  • 成長したい奴こそ大企業に行け | quipped

    流行り廃りは世の常であるが、間違いなく今、ベンチャーは流行っている。会社を模したサークル活動から、野球の球団を持ってたり、上場しているような会社ですら十把一絡げでベンチャーと呼ばれる日なので、どこまでをベンチャーと言っていいのかわからないが、いわゆるネット系の会社の人気ぶりは、一昔前の外資金融・コンサルを彷彿させる。 筆者も、投資家からお金を調達している比較的小さい会社(まあベンチャーだね)で働いているのだが、そういう立場から常々思っていることを、これから就職を考えている学生さんたちに伝えたい。 成長したい、と思ったら、ベンチャーに行ってはいけません。大企業に焦点を絞って就活することを心底勧めます。 以下、ぼくなりの理由を少し書こうかと思う。社員500人以上の会社では働いたことがないので、大企業に関する部分は割と想像かもしれない。ただ、今の会社は6人の時から見てきたりしていて、いわゆるベ

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  • W杯:Uberの車窓から | quipped

    3か月前にサンフランシスコに引っ越して以来、Uberを利用するようになった。 Uberは、日でも最近サービスを開始したので、既知の人もいるかもしれない。いわゆる白タクの配車サービス1で、時価170億ドル(1兆7千億円)という破竹の勢いの会社だ。スマホアプリでさくっと呼べて、すべてクレジット決済なので財布を出す必要すらない。乗用車の運転手が下手で横柄で短気で自己中心的でマジファックな人が多く、なんといっても駐車スペースが枯渇しているサンフランシスコでは、Uberは欠かせない存在になりつつある。アクセスの悪いところへ行くときや、夜、歩いて帰るとカツアゲにあいそうな時にも重宝する。 ぼくは運転手に話しかける癖があり、それはUberの白タクでも一緒だ。そしてもっぱら最近の話題は、W杯である。 🚖 運転手マリーシオさんの場合 —ワールドカップ見てます? —もちろん見てるよ —でも運転してるでしょ

  • AをするためにBをする、ということ | quipped

    先月、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスについて書いたNew Yorker誌の記事を読んだ。創業まもなくの頃のベゾスに関するエピソードが面白かったので、引用する。 In 1995, in Chicago, Bezos manned an Amazon booth at the annual conclave of the publishing industry, which is now called BookExpo America. Roger Doeren, from a Kansas City store called Rainy Day Books, was stopped short by Amazon’s sign: “Earth’s Biggest Bookstore.” Approaching Bezos, he asked, “Where is Earth’s bigges

  • Aiko Uemuraで振り返るナガノ→ソチ | quipped

    16年前、小学校卒業を間近に控えたぼくは、家族と一緒に長野五輪を観戦しにいった。フィギュアスケートの男子と女子を観戦したはずだ。今でこそ日は、フィギュアスケートのメダル常連国だが、当時はメダルはおろか、誰も10位以内に入らなかった(後にトリノで金メダルを取る荒川静香は、この時13位だった)。 その代わりといっては失礼だが、清水宏保がしゃかりき走り、里谷多英は空中でドーンと開脚し、船木和喜はもっと空中で爪先を八の字に広げ、金メダルを取った。あと、恥ずかしながら今日Wikipediaで知ったことだが、ショートトラックでも西谷岳文が金メダルを取っている。 ただ、12歳の少年の脳裏に一番焼き付いたのは、モーグルで7位に入った上村愛子だった。溌剌としていて、可愛かったからだと思う。思春期に片足踏み入れた12歳のガキなんて、そんなもんだろう。 12年前、ソルトレイク五輪を観戦していたのは、渡米して最

  • Kindleにないもの | quipped

    タイトルは完全に釣りである。Kindleというよりか、電子書籍リーダーにないものだ。ただ、「Kindleにないもの」というタイトルにすれば、「KindleにはないけどKoboにはある...!」みたいな雰囲気を醸し出すことができ、姑息にクリック数を増やせるかと思ったのだ。 ちなみにKindleになくてKoboにあるものも当然ある。三木谷さんの煮えたぎるほとばしる情熱とか。書籍数の水増しとか。まあいいや。 電子書籍リーダーになくて、紙のにあるもの、それは表紙である。もっと正確に言えば、通りかかった人とか、喫茶店で近くに座っている人が、を読んでいる人の肩越しに覗き込むことなく、何のを読んでいるか判断できる表紙である。 昨年、空港で夜を越すことがあった。まだKindleを持っていなかった時で、ペーパーバックでCatch 22を、床に座りこんで読んでいた。すると、トイレを済ませ、屋の店番に戻

  • このブログの技術的内情 Ver. 2 | quipped

    最近ブログのバックエンドを総とっかえしたので、どれくらい興味があるのかわからないけどアップデートを(以前のセットアップ)。 ホスティングはlinode。これは変わらず。強いて言えば読者のほとんどが東京なのでTokyoに移した。 ウェブサーバーはnginx。これも変わらず。ただしPHPは要らなくなったので、ひたすら静的ファイルをサーブしている。 Wordpressをやめて、Dropboxに置いたMarkdownファイルを自前のシェルスクリプトとMarkdownパーサでHTMLに変換し、それをアップロードするようにした。コメントも何もなかったし、ほんとにコメントを足したければDisqusか何かを使えばよい。 サーバーがたまに落ちるので、djbのsuperviseに見張ってもらっている。 Mixpanelをやめることに。そこまで記録するユーザーアクションがない。結局Google Analytic

  • 本屋をめぐる冒険 | quipped

    記憶のある限り、ぼくは屋さんに通って育った。母親は自分で会社をしていて忙しかったのだろうが、毎月のように、二子玉川の高島屋の中にある紀伊国屋に、小学校低学年のぼくを連れていってくれた。そしてこう言うのだ。「好きなを選びなさい。」 ぼくの頭の中には、紀伊国屋の地図ができあがっていた。文庫エリアは「おとなの」で、つやのない表紙の新潮文庫に対しては、特に大人な印象を持っていた。たしか中学に入る頃まで、新潮文庫は一冊も読まなかったと記憶している。ぼくはもっぱら児童小説のエリアで、表紙を見てを選んでいた。ミヒャエル・エンデ。ガンバの冒険。エジソンの伝記。多い時は15冊くらい一度に買っていたのではなかろうか。会計のところで、母親の財布から福沢諭吉が飛びたっていく様子を、ぼんやりと覚えている。 中学に入ったくらいに、「おとなの」もぼちぼちと読むようになった。おとなののエリアを探索しはじめた

  • MITの卒業生よ、ウォール街に行くな! | quipped

    アメリカ民主党ロビイストJeff Connaughton氏が9月(Kindle版は8月)に出版した暴露"The Payoff"より。High Frequency Trading(アルゴリズムとソフトウェアをふんだんに使ったトレーディング手法)について。 We need to slow down the technical arms race that is leading to faster and faster trades without any corresponding social utility. MIT needs to be sending its graduate engineers to innovate our economy, not to find new ways to skim Wall Street profits. 我々は、あくなきトレーディング手法の

  • Instapaperの履歴を眺めてみた | quipped

    iPhone/iPadのアプリの中で、時間という意味で一番使っているのは、間違いなくInstapaperだ。Instapaperの作者であるMarco Arment氏については以前に書いたが、今日は作者ではなくてプロダクトの方の話である。 まあプロダクトというより、ぼくのInstapaperの使用履歴の話である。 今日初めてInstapaperのウェブサイトから、自分が「あとで読んだ」リンクの履歴をCSVに落としてこれることを知ったので、実際に落としてみた。保存してあるリンク数が2000を超えると、最近2000までしかダウンロードできなくなるらしいが、ぼくの場合全部で829リンクだったので、過去の履歴全てということになる。 この前、普段どんなウェブサイトを読んでいるかツイッター越しに聞かれたので、リンク数のドメイントップ10をリストアップしてみた。 リンク数 ドメイン 51 www.nyt

  • 話すように書いてはいけない | quipped

    大学時代、学生がサボり過ぎるのを防止するためか、課題のエッセイの類いには必ずと言っていいほど最低何ページ/何単語といった制約がついていた。だがらといってより内容のあるものを書こうと動機づけられる学生は少数で、大半の生徒は、薄っぺらいままの内容を、金箔のように引き延ばして規定のページ数や単語数に到達させようとしていた。すると文章は冗長になり、論点は不明確になり、そうしてたるんだ文章を、むやみやたらに難しい言葉でドーピングするという悪循環を経て生まれるのが、95%の学生が提出する、読みづらいのに中身のないエッセイだった。1 そんなウンコエッセイに辟易としていた西洋古典学の講師の人が、度々こうアドバイスをしていた。 「あたかも話すかのように書け」 確かに人は話す時に、やたら難解な言葉を多用したり、回りくどい言い方をあえてはしない。なるほど、これはいいアドバイスだ。やがて大学を卒業し、規定ページ数

  • 友達 たくさん つくれ | quipped

    1999年11月、中学校を退学して渡米するぼくのために、当時の担任の先生が、クラスメート全員から寄せ書きを募ってくれた。30センチ四方の色紙の真ん中に「飛翔」と書かれており、それを囲むようにクラスメート42人が縦書きでコメントを寄せてくれた。14歳のぼくは心底感動し、渡米まもなくの頃は、しょっちゅうその寄せ書きを眺め、右も左もわからない英語圏での生活と戦う心の糧にしていた。 それでも人間なんて勝手なもので、徐々にアメリカでの生活に慣れ、次第に色紙を眺めることも少なくなった。正直、誰が何を書いてくれたかも殆ど覚えていない。が、一つだけ鮮明に覚えているコメントがある。それが、M君が書いてくれた だ。中央に書かれた「飛翔」という言葉もそうだが、寄せ書きの多くは「アメリカに行ってもがんばれー」といった僕を勇気づけるものだった。もちろんそれはそれでありがたかったのだが、そんな中でM君のコメントは、よ

  • なかば人類学的にFacebookを振り返る | quipped

    元Facebook社員であるKatherine (Kate) Losseが書いた回顧録"The Boy Kings"を読んだ1。 Johns Hopkins大学の博士課程で英文学を学んでいたLosseは、Californiaの日差しに惹かれ、博士課程を去り、San Franciscoでのコピーライターの仕事を経て、2005年、顧客サポートとしてFacebookに入社する。その後、プラットフォームとローカリゼーションのプロマネを歴任し、最終的にはその文章力を買われ、Mark Zuckerbergのゴーストライターとなる。2010年、5年間勤めたFacebookを辞め、満を持して書き下ろしたのが、"The Boy Kings"だ。 "The Boy Kings"—「ガキ大将たち」とでも訳すのだろうか—というタイトルは、Facebook創立時の、青臭く幼稚で、時として(特に女性社員に対し)配慮の

  • Amazon創業者Jeff Bezosのアドバイス | quipped

    Jason Friedのオリジナルはここ 脚注はぼくによるもの 以下拙訳 昨日、Jeff Bezosさん1が我々のオフィスに来て、90分ほどプロダクトと戦略の話をした。その後、オフィスにいたみんなと245分ほどの質疑応答をして帰っていった。 質問に対する答えの中で、Bezosさんは、「正しいことが多い」人たちに関する興味深い考察をしていた。 彼いわく、正しいことが多い人たちは、よく自分の意見を変える人たちだそうだ。思考の整合性は必ずしもよいものではないというのが、彼の意見だ。昨日と今日で考え方が違うことは、ごく当たり前のことであり、あるべき姿ですらあるという。 賢い人たちは、自分の考え方や、解決済みとされている問題を常に再考しているというのが、彼の主張だ。そういった賢い人たちは、新しい意見を進んで受け入れ、新しい情報やアイデア、矛盾や批判を、自分の考え方の一部に取り込もうとする。 はっきり

  • 「尊重されたいすべてのソフトウェアエンジニアへ」を読んで | quipped

    最近fluentd界隈でご活躍の@tagomorisさんが書いた、「尊重されたいすべてのソフトウェアエンジニアへ」という記事が大人気のようだ。 大人気のものには便乗するのがquippedのやり方なので、ぼくの個人的な意見を少し書いてみたい。 結論から言ってしまえば、ぼくは@tagomorisさんの意見に同意だ。失礼を承知で言うと、彼の言っていることは至極当たり前で、 仕事の外でも頑張れ。 せっかく頑張ったんだから発信しろ。 ソフトウェアの世界では1+2の費用対効果がデカい(はず) という3点だと思う。ぼくが興味深く感じたのは、彼が努力だけではなく、ある種の自己PRを促していることだ。これは大人になってわかったことだが、「実力さえあれば誰かが見いだしてくれる」なんてのは傲慢はなはだしく、黙っていては誰にも気づかれずに終わる場合がほとんどだ。ソフトウェアに限ったことではないけれど、日人は相対

  • Rob Pikeの理想のセットアップ | quipped

    以前にも紹介したDaniel BoganさんのインタビューサイトThe Setupより。 ついにこの人スーパーハッカーRob Pikeである。彼の「あなたの理想のセットアップはなんですか」に対する答えが面白いので、以下一部抜粋する。 In summary, it used to be that phones worked without you having to carry them around, but computers only worked if you did carry one around with you. The solution to this inconsistency was to break the way phones worked rather than fix the way computers work. My dream setup, then, i

  • セクシスト田村耕太郎 | quipped

    田村耕太郎さんというグローバルな人が、ツイッターでこう発言していた。 もちろん、欧米人の彼氏も。「あまりに日でモテないのでこれ以上出会いなかったら外国行こうかと思ってました」と。皆、英語もできるし、スタイルもいいし、仕事もできる。日男児よ、AKBもいいけど、ちょっと大人のゴージャス系日女子もしっかり狙って! どうやら高学歴・高収入・高身長の「三高女子」が日人の男性から敬遠されているという話だ。そしてそうやって男尊女卑の古い観念に捉われている日人男性はダメだ、欧米や台中を見習えということだ。 日人男性が、台中欧米の男性から見習うことは色々あるだろう。だが、田村さんに言われたくない気もする。まず先のツイートを読み返して見る。 皆、英語もできるし、スタイルもいいし、仕事もできる。 三高女子のことを言っているのだろうが、この発言はいろいろと誤解を生みかねない。女性のスタイルへの言及は、

  • The New Yorkerも「クラウド」 | quipped

    The truth, though, is that The New Yorker’s archive isn’t really located in the library any longer. For many years now. it’s existed in the cloud, where subscribers can read every single issue of the magazine, all the way back to the début issue, which was published on February 21, 1925. まあクラウドじゃなくてもいいからもう少しサイズの小さいデジタル化を考えてほしいというのが、愛読者からのリクエスト。一冊150MB余裕で超えるからなあ。

  • quipped year 1 | quipped

    このブログを始めて丸1年が経った。Daring Fireballが今年10周年だそうなので、まだまだだが、少なくとも1年間は継続してブログを書くことができてよかった。 ということで、ざっくりだが、ハイライトを。 最初のエントリーは「アンチ名刺」。偉そうなことを書いたが、今では自分も名刺が必要な立場になってしまったので、偽善者もいいところである。 Steve Jobsの伝記の和訳のカバーにケチをつけた時は、1日で15万以上のページビューがあり、完全にサーバーがパンクした。 「ウェブ業界で起業したいならMarcoを目指そう」が、一番はてブがついた。1800とかか。 読み手のためになったんじゃないかと自分で勝手に思っているのは、「10年という短期間で英語をマスターする方法」と、DFWの卒業スピーチを翻訳した「これは水です」。 一部だけど、読者から「とてもよかった」と感想メールが来たのは、「ソフィ

  • どんな日本語もビジネス英語に翻訳できるようになる7つのステップ | quipped

    先日、(英語の)文章をDFW化する方法という記事を読んで、抱腹絶倒したので1似たようなことをやりたくなった。 題して「どんな日語もビジネス英語に翻訳できるようになる7つのステップ」だ。完全に釣りなので、釣られたくなければここで去るんだ! セオリーだけでは具体性に欠くので、例文を用意する。「蒼井優は僕のことが好きです」でいくことにしよう。 ステップ1:とりあえず訳す どっかの時点で英語にしなくてはいけないので、早速翻訳してしまおう。繰り返すが、例文は 蒼井優は僕のことが好きです。 Yu Aoi loves me. まあここは比較的簡単だ。3人称単数現在なのがポイント。 ステップ2:主語と目的語を修飾する まあこれはビジネス英語に限ったことではないが、主語と目的語がペロっとあっても寂しいというか、なんかそれっぽくないので、ちょっと修飾することにする。修飾には",...,"という節を加える方向

  • データジャーナリズムの時代 | quipped

    データジャーナリズムという言葉を、頻繁に耳にするようになった。 日でも佐々木俊尚さんがすでに紹介しており、少しずつ認知されつつあるようだ。細かい定義はいろいろあるだろうが、おおまかには「データを上手に使ったジャーナリズム」だと言える。例えば、 英Guardian紙のData Blogや、米Los Angeles TimesのData Deskは、公のデータを効果的に可視化し、そこから今まで多くの人が気がつかなかった知見を導きだしている。O'Reilly社からもData Journalism Handbookなるが出版されており、欧米の代表的な新聞社は、どこもデータジャーナリストの採用とトレーニングに余念がない。 今日は、このデータジャーナリズムについて、適当に私見をまとめてみる。 わかりやすさ データジャーナリズムというが、実際のところはデータ可視化ジャーナリズムだ。百聞は一見にしかず