「勘違いするなよ。『思想・良心の自由』というのは、君が何を考えるかの自由なんだ。あくまでも君が心の中で何を考えてもいいということなんだ。ただし、未熟な子どもたちに、君の「考え方を伝える」ことは自由じゃない。彼らは自分の考え方を持っていない。君が自分の考え方を語れば、あまりに影響が大きく、子どもたちを惑わすことになる。だから、君の考え方は君の心の中にしまっておけ。口に出したり、文章にして配布するのは「校則違反」だ」 「確かに僕は未熟かもしれません。いえ、きっと未熟です。だいたい、中学3年生で成熟するがわけないと思います。僕らの世代の『思想・良心』は、誰もが未熟なところから形成をはじめ、友達と語り合いながら鍛えられていくものじゃないでしょうか。口に出してはいけない『思想・良心』なんて、言論の自由のない社会と同じです。自分の未熟な考え方も、進歩する機会を失います」