カルボナーラを初めて食べたのは、震災前まで神戸の食いしん坊を唸らせていたベルゲンというお店でした。 ミートソースやナポリタン、たらこスパ、家で食べたどの味とも違う。 とろんとしたクリームは濃厚に舌に絡み付き、かりかりっとした香ばしいお肉は噛めば噛む程脂がほとばしる。 何これ何これ!興奮して、母にこれおうちでも作って!と頼んで、渡されたのは片岡譲シェフのレシピブック。小学校2年生頃のこと。 それから、私は学校から帰ると1ヶ月毎日カルボナーラを練習しました。私が一人で料理を始めたのはこの時です。お手伝いではなく、最初から最後まで食事を作る。ある時は生クリームを使い、玉ねぎを入れたり。でも、いつも満足する事は無く、素人が作ってもこんなものかなあとぼんやりとした達成感。「美味しいよ」と言ってくれる家族が唯一の救いでした。 一人暮らししてからも、何かとカルボナーラ。大好きすぎて飽きる事は無いのですが