保守と維持管理に関する運用要求の具体的な取りまとめのポイントを見ていこう。保守と維持管理という用語は,ユーザーやベンダーによっては同じ意味で使われることもある。どちらもシステム運用を安定して継続的に行っていく上で,必要な処置を施すという意味である。 ここでは便宜的に,「保守」はハードウエアや製品としてのソフトウエア(OS,データベースソフト,ミドルウエア,パッケージソフト本体やツールなど)に対してベンダーが有償もしくは無償にて提供するサポートやサービスを指すこととする。「維持管理」は,スクラッチ開発したプログラムやパッケージソフトのカスタマイズの部分などに継続的に手を入れ(追加開発や改変など),業務との親和性を維持するための作業の意味で用いる。 保守料金や維持管理コストはランニングコストとして,システムが稼働している期間はずっと発生する。システムを5年~10年使うとなるとかなりの金額になり