このところ、本業である「西方」分析ではなく、国内の身辺雑記めいた話が多くてゴメンナサイ。ついでに、あとひとつだけ気になっている話を手短に記しておきたい。大相撲スキャンダルである。何が気になっているのかというと、報道されている「情報」が杜撰なのだ。新聞記者になって「西方」に重点的に携わる前、私は無名な事件記者の一人だった。そのときの乏しい経験と最近得た情報から、一連の報道の危うさについて指摘しておきたい。 ★ ★ ★ このスキャンダルは大きく二分できる。ひとつは「維持員席」問題。もうひとつは野球賭博である。前者についての疑問から始めたい。この話が報じられた際、極道(暴力団員)の維持員席での観戦の狙いについて、新聞やテレビでは「大相撲のテレビ中継に暴力団員が映ることで、受刑中の親分を励ますため」という説がまことしやかに流された。 具体的に話を進めよう。当初、問題となった昨夏の名古屋場所では、観