最近、さまざまな分野で数学をもっと取り入れようという動きが広がっている。数学だからといって単なる公式などを思い浮かべてはいけない。もっと柔軟な発想を得るために“数学的思考方法に学ぼう”という動きである。IT業界周辺でもこのような動きが出始めているようだが、そもそもコンピュータは“数学そのもの”である。では、最新のサービスや技術が生み出される開発現場では、どのように数学が取り入れられているのだろうか。数学者であり、情報共有基盤システム「NetCommons」の開発責任者でもある新井紀子さんに聞いた。 新井紀子さん 1962年東京生まれ。一橋大学法学部卒業後、イリノイ大学数学科博士課程修了。理学博士であり、数学者。現在、国立情報学研究所教授。情報共有システム「NetCommons」の開発を手掛け、また教育サイト「e‐教室」を通じて全国の小中高校生へインターネット上で授業を行なっている。 「ww