初めての著書を出した2017年に、「乗田さんはこれからもライターを名乗るのか、それとも作家を名乗っていくのか、楽しみにしてます」と言われたことがある。 本を出すと各々にどう見られたいかという欲ができてきて、その欲と連動して書き手の肩書もまた変わっていく。 その時はそういうもんなんだなぁ、自分は一体どうするんだろうな、と割とのんきに構えていた気がするのだが、あれから1年半ほど経ったところで、その答えがなんとなくわかってきた気がする。 私は商業ライターにも、作家にも、結局本当の意味ではなれはしないんじゃないだろうか。 2018年の秋、あれだけ好きだった文章が、まったく書けなくなった。 ちょうど本を出して1年経とうかという時期で、その直前まで本を持っては出版社を回り、編集者を回り、顔を売らなきゃと必死だった。 北海道に住んでいるというだけで、私には営業活動に充分必死になる理由があった。 何かを生