約10年間、小説の新人賞に落選し続け、2019年に作家デビューを果たした高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)さん。 デビュー後1作目で芥川賞にノミネートされ、次作『おいしいごはんが食べられますように』で芥川賞を受賞。芥川賞受賞後も1年間で2冊の単行本を発売した。 次々に作品を発表し続けている高瀬さんだが、実は週に5日は正社員の会社員として働きながら小説を書く“兼業作家”でもある。 2つの仕事をどう両立させているのか?(聞き手・横山耕太郎) 高瀬隼子…1988年、愛媛県生まれ。立命館大学文学部卒業。2019年、『犬のかたちをしているもの』ですばる文学賞を受賞してデビュー。10月発売の最新作『うるさいこの音の全部』では、ゲームセンターで働きながら小説を書いていた主人公が芥川賞を受賞、だんだんと変わっていく周囲の状況を描いている。 ──いつ小説を書かれていますか? 週5日は、都内の職場で事務の仕事をして