「だがな、一つだけ言っとくことがある。(カメラの方を指さす)「あんた!――テレビの仕事をしていたくせに本気でテレビを愛さなかったあんた!(別を指さす)あんた!―― テレビを金儲けとしか考えなかったあんた!(指さす)よくすることを考えもせず偉そうに批判ばかりしていたあんた!(指さす)あんた! それからあんた! あんた!!――あんたたちにこれだけは言っとくぞ! 何年たってもあんたたちはテレビを決してなつかしんではいけない。あの頃はよかった、今にして思えばあの頃テレビは面白かったなどと、後になってそういうことだけは言うな。お前らにそれを言う資格はない。なつかしむ資格のあるものは、あの頃懸命にあの状況の中で、テレビを愛し、闘ったことのある奴――」 倉本聰サンの叫び ――これは、今から41年前にフジテレビ系で放送されたドラマ『6羽のかもめ』の最終回「さらばテレビジョン」の1シーンである。山崎努演ずる